食 教 育 

★「はし持参」学習の題材に★

親と学校の連携必要

 「あ、はしを忘れちゃったよ」。四時間目の授業終了のチャイムが鳴り、子供たちが色とりどりのはし箱を机の上に出し始めると、一人の児童が小さな声を上げた。「はしを忘れた人は前に来て」。担任が呼び掛けると、数人の児童が集まり、担任から割りばしを受け取る。にぎやかな給食の時間の始まりだ。

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本別で持参開始
 本別町教委は昨年度から、十五年間続けてきた給食での割りばし使用を廃止し、管内で唯一はしの持参を始めた。小中学生対象の「町長と語ろう会」で、生徒側から「一回使って捨てるのはもったいない」との声が出たのがきっかけ。町教委は、(1)経費の削減(2)資源を大切にする意識を養う(3)家でのはし洗いなどを通じ親子の会話の機会を少しでも増やす−を狙いに実施に踏み切った。
 ごはんとめん類が出る週二−三回、子供たちが各自はしを持参。これにより削減された経費は年間二十五万円−三十万円。河野義博教育長は「給食は、人間が生きる上で根本となる食べることやマナー、あいさつを学ぶ大切な学習。経費削減よりも、給食を教育の一つの題材として考えてもらうことに価値がある」と語る。
 開始当初、忘れる子供が毎回一校に二十人程度いたが、現在は半分以下に減った。「お母さんのやり方を見て、はしの洗い方を覚えたよ」とうれしそうに話す子供もいる。同町の干場福治学校給食センター長は「自己管理意識が高まるなどの効果が見られ、やってよかった」とする。

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家から持参した色とりどりのはしで給食を食べる子供たち(本別中央小で)

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芽室は反対が多数
 一方、はし持参が実現しなかったケースもある。芽室町教委は一九九九年、二〇〇一年度の給食センター改築を機にはしとナプキンの持参を町学校給食運営協議会に提案した。本別町同様、親子の会話やスキンシップのきっかけになれば−との狙いだった。しかし、「はしとナプキンの持参と親子の触れ合いとは無関係」「はしの持参は衛生面で不安」「忘れ物を増やし、子供をしかる機会を増やしてしまう」など反対意見が多数を占め、特に異論の強かったはし持参については二〇〇一年度実施は断念、ナプキン持参のみ導入した。
 宮西義憲教育長は「親子の会話を増やしてもらうためのアプローチの一つとして提案したが、“町教委は、はしを持参しさえすれば、親子の触れ合いが増すと考えている”と受け止められてしまった。提案の仕方が良くなかったと反省している」と話す。

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「新しいこと面倒」
 議論から半年。町内の父母からは「幼稚園で弁当を持参しているのに、衛生面からの反対は矛盾している」「町教委の意図はわからないでもない」と振り返る声も。三十代の父親は「先生や親に、教育への危機感がなかったのでは。新しいことをするのは面倒というのが正直な気持ちだったのだろう」と打ち明ける。
 学校給食を食教育の場として有効活用するには、親と学校の連携も欠かせない。
(池田有紀)(01.7.4)

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