地場産品利用 

★「農業王国」の特色生かす★

教育的効果は不透明

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利用率高い帯広
 「帯広市の学校給食は道内都市の中でも、地場産品の利用率が群を抜いて高い。新鮮・安全な食材の提供は、郷土が誇る産業への理解を深めるのに役立つ」
 帯広市学校給食共同調理場の大野拓治場長は、学校給食を通した「教育的効果」を強調する。
 道によると一九九八年度、道内各都市の学校給食における野菜など地場産品の平均使用率(重量ベース)は二四%。畑作が盛んな網走管内でも四八%、漁業中心の日高管内はわずか八%で、十勝二十市町村平均は五一%。帯広市では七二%と突出している。
 同調理場の独自調査でも管内産農作物の割合は九九年度が七七・二%、昨年度(一月末現在)は七〇・四%。「豊富な農産物が身近にある上、生産者の立場を考慮し、市農務部や十勝支庁から学校給食に地場産品を多く使ってほしいとの要請がある」(大野場長)というのが理由で、「農業王国」の特色を生かした学校給食となっている。

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地元農産物をふんだんに使った帯広市の学校給食。子供たちに意義を理解させる有効な取り組みが問われている

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「食材」より「献立」
 市では八三年十月から毎年、収穫期に合わせて「ふるさと給食週間」を実施。期間中は地元農産物をさらに多く使い、昨年度は「カルビ丼(どん)」「カボチャとタラの包み焼き」など豊富な食材を組み合わせた。
 しかし、アンケートでは「ふるさと給食週間はあった方がいい」と答える子供たちが九〇年度の調査開始以来、年々減少の傾向。小、中学生ともに九三年度の七一・七%、五八・七%が最高で、昨年度は小学生が過去二番目に低い五一・六%、中学生が過去最低の三五・二%にとどまった。
 昨年度の調査によると、コンビニエンスストアやファストフードの味に慣れた子供たちには「カルビ丼」「枝豆」「フライドポテト」などが人気。「カボチャとタラの包み焼き」「サケのはさみ揚げ」など魚を使ったメニューは「嫌い」とした回答が目立った。
 同調理場が日常の給食で行っている嗜(し)好調査でも「カレーライスの日を増やして」「デザートの量、回数を多くして」といった要望が多く、児童・生徒の関心が「食材」より「献立」にある実態が表れている。
 栄養士からは「栄養バランスを保ちながら、子供たちが好むメニューを考えるのは大変」との声も上がっている。

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安全性など理解を
 管内自治体では安全性を考慮し、非遺伝子組み換え食材を選んで購入していることで「単純には比べられないが、材料費は〇・三−〇・七%上がった」(鹿追町学校給食共同調理場)と説明。市でも「ふるさと給食週間中は食材の種類が増し、材料費は多少高くなる」と認める。
 ただ、大野場長は「子供たちが地場産品を食べる意義をどこまで理解しているかは何とも言えない」と明かす。食料基地・十勝の給食として意図する「教育的効果」は不透明だ。
 市では年間を通し、栄養士が給食時間中に市内二十六の小学校を訪問するといった啓発活動を展開。大野場長は「学校との連携を深め、地場産品の安全性などを理解してもらう働き掛けが重要になる」とみている。
(岩城由彦)(01.7.2)

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