少子化の波で

異年齢の集団の中で遊ぶ経験なく


★ボーイスカウト町内会子ども会★

活動の将来に影
 「団員の減少が始まったのは、一九八三年の家庭用テレビゲーム機登場の年と重なります。子どもが家にとどまり、大勢で遊ぶことがなくなった。塾、習い事に通う子も当たり前になって子どもが忙しくなっていった…」
 日本ボーイスカウト北海道連盟の清水義明十勝地区コミッショナーは、十勝のボーイスカウト隊員数の現状をこう説明する。

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ピーク時の6割に
 全道でスカウト数が六千人とピークを迎えたのがまさに八三年。それから減り続けて、九九年度には二千六百四十一人にまで減少した。十勝では八五年に三百五十三人いたスカウト数は二百五人と六割近くまで落ち込んだ。今年度第八、第十団が活動を休止。帯広では四つの団が活動するだけとなった。
 同十勝地区協議会の進藤恒彦会長は、当時から子どもの少ない東部地区に住んでいることから、「長男の遊び相手が多い方がいい」と、二十八年前、第七団に入団させた。  入隊する子どもの減少傾向に「周りに遊び相手が少なくなった少子化時代だからこそ、役割は増していってもいいはずなのですが…。このままだとさらに統合しなければならないことも想定される」と漏らす。
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少子化の波が直撃、団員数が減少しているボーイスカウト活動。 21世紀最初の元日にも恒例の「募金の協力お願いしまーす」との元気な声が響いた
 清水コミッショナーも「学校完全週五日制になれば、教育委員会での講座も増えるでしょう。団員確保を進めないと」と存続に向け危機感を持っている。

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疎外感や孤独感も
 少子化という課題は、地域コミュニティー活動の原形とも言える子ども会活動の将来にも影を落としている。
 「より幅広い異年齢集団の中で群れを作って遊ぶ経験がなくなると、集団になじめず、疎外感、孤独感を覚えやすくなる。最近の青少年犯罪に潜む、心の病もそういったことが反映されているように思えます」  市青少年健全育成者連絡協議会の朝日照夫会長は、子ども会活動の衰退による影響をこう懸念する。
 帯広市街地中心部に近い北栄小地区で九八年夏、PTAが「ラジオ体操マップ」を作製した。同校校下の町内会ごとにラジオ体操の会場、開始時間を書き込んだものだが、ドーナツ化と少子化の影響を受ける同小地区ならではの「子ども会再生」といった狙いがあった。
 八重樫正毅・青連協北栄地区理事は「子ども会の統合は昨年一つ実現したが、自主的な動きになるのがなかなか難しい。町内会未加入家庭の子どもに子ども会加入の働きかけをしても、加入世帯、非加入世帯の壁があって、積極的な動きに至っていないのが現状」と言う。

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親の意識が壁に
 市教委によると、市内の子ども会の数は九九年度で五百九。町内会数に占める組織率は六七%。九〇年度六百四十二で八四%を数えていたが、減少傾向をたどっている。青連協は新年度、全市的に子ども会の実態調査を実施する予定だ。
 ある地域の青少年健全育成担当者は「社会や異年齢集団との付き合いのきっかけをつくってあげられるのは親。その親自体、基本的な人とのふれあいを拒む。そうした親を説得するため、家にまで入り込むわけにはいかない」とあきらめ気味にこぼした。
 子ども会再生は親の意識という厚い壁に直面している。
(年間キャンペーン取材班=井上猛)(01.1.4)

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