学校評議員制度

「開かれた学校」へ問われる運営


★地域が集まる土壌必要★

 「政治の世界が庶民からかい離して“永田町の論理”といわれるように、学校が地域社会から遊離してしまってはならない。お年寄りの知恵を教育に活用し、幅を広げるなど、学社融合のきっかけとすべきだ」
 「開かれた学校」をキーワードに、十勝でも学校評議員制度が始まろうとしている。町村の小学校長OBがこう語るように、「教育的配慮」から実態が見えづらい“学校の論理”が、地域の声にこたえる方向へと進むのだろうか。

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地域への出入り口となる校門。「開かれた学校」を模索する学校現場に評議員制度はどんな効果をもたらすのか。(写真と本文は関係ありません)

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池田、士幌で導入
 「2002年度の完全学校週5日制でゆとりの授業になる。始まってから『さあどうする』では間に合わない。少子化で学校のことが子どもを持つ親しか分からなくなり、地域も学校をどう支援していいか分からないでいる。両者を直接結ぶ手段だ」
 今年度から同制度を導入する池田町教委の中林司管理課長は狙いを説明する。
 同町の評議員は嘱託職員の資格を持ち、町教委が各校5人以内で委嘱。委員には年額2万400円の報酬が支払われ、連休明けにも委嘱される。
 十勝教育局によると、昨年度、学校管理規則を改正し、今年度、学校評議員制度という形で全校に導入するのは池田町と士幌町の二町。全道ではほかに二町村しかない。

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教職員に警戒感も
 それだけに池田町でも「拙速だ」「効果に疑問がある」などの戸惑いが広がった。「教育現場に他人を入れることを、とにかく嫌う」(ある町の学校教育担当幹部)土壌に持ち込まれる同制度。「校長のイエスマンを人選し、都合のいい押しつけが行われるのではないか」。教職員に警戒感、懸念も残る。
 学校評議員制度とは性格を少々異にするが、芽室町で昨年度から導入している「学校運営地域協力者会議」は現職教職員がメンバーに加わっているのが特徴。「管理職だけでなく、教職員も外からの情報をダイレクトに受け、また外に発信していくのが狙い」(嶋山亮二教育次長)だ。

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日常的な利用を
 導入はまだ決まっていない帯広市。柴田隆視市P連会長は「制度を広げるのは必要だが、学校が開かれるためには地域が学校に集まれる土壌づくりが必要。学校の空き教室に図書館の分館を設けるなど、日常的に利用できる環境づくりが先ではないか」と提唱する。
 冒頭の校長OBも土壌づくりの大切さに言及する。「帯広市や他町村から通勤する先生も多い中で、ただ単に施設が開かれるだけでなく、教職員の心が開かれてこないと成り立たない」  学校が再び地域コミュニティーの核へと向かうきっかけとなるのか。各教育委員会、各学校の運営手法が問われることになる。
(井上猛)(01.5.5)

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<学校評議員制度>
 学校教育法施行規則等の一部を改正する省令(2000年1月公布)で導入された制度。学校や地域の実情に応じて置くことが出来、評議員は学校長の求めに応じて教育目標、地域連携の進め方などに意見を述べることができる。学校が地域の信頼にこたえながらより開かれた特色ある学校づくりを進めるのが狙い。

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