ボランティア

“一方通行”防ぐ連携姿勢を


★「受け入れ側との関係」大切★

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重要な打ち合わせ
 「相手があってこそのボランティア。重要なのは、受け入れ側との綿密な打ち合わせ。相手が何を求めているのか把握し、学校の目的を明確に示さなくては相手の負担になるばかりか、継続できない」
 民間団体「土曜ヤングまちづくりボランティアスクール」の中尾悦子事務局長は学校でのボランティア教育に対してこうアドバイスする。
 同スクールは一九九三年から小・中・高校生を受け入れ、ボランティア体験の機会を与えている。今でも試行錯誤しながら構築しているのが「受け入れ側との関係」だという。
 特に福祉ボランティアは、老人ホームなど受け入れ側との体制づくりが欠かせない分野。ただ、実際の現場では教員免許取得希望者の「介護体験」義務化、帯広市職員の介護研修など、ただでさえ受け入れ機会は増えている。「施設はこんな所だと分かってもらい、お年寄りに接してもらうことはいいこと。しかし、ボランティアに対するあいまいな考えや、施設が何を求めているか無視した活動はかえってトラブルのもと」と特別養護老人ホーム太陽園の宮田勝文生活相談員は危ぐする。

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子供たちに変化
 十勝教育局は「総合学習が始まる以前も、ほとんどの学校で環境美化や老人ホーム慰問などを行ってきたが、“イベント的”な体験が多かったことも事実。しかし、地域やPTAと連携した形で継続してボランティア活動に取り組む学校も増えてきた」(生涯学習課)とみている。
 帯広市の啓北小学校(杉森繁樹校長)は昨年、帯広盲学校の教諭を招き、校内での基礎学習やアイマスクを着用した体験学習を実施。施設を訪問する前に、地域の指導者が障害者の立場や感覚を教えることで、子供たちの考え方や態度に変化が表れた。
 「障害者イコールかわいそうという概念ではなく、障害の部分以外は同じ人間で、地域で生活する仲間という心が芽生えている」(啓北小・小野正一教諭)。
 本別町と鹿追町では小・中・高とPTA、地域が一体となって取り組む十勝教育局の「学びの環境づくり」モデル事業を通じ、地域と学校との連携を図ってきた。その中で、子供たちは授業の中で自発的に公共施設に点字板を設けようと発案したり、雪かきを手伝うようになった。

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継続に意味がある
 啓北小の木下剛教頭は「ボランティアは単年度で終わるものではなく、継続することに意味がある。学校側の“一方通行”に終わらせないためにも地域との連携はもちろん、教職員の共通認識を前提とした学校側のボランティアに対する明確な姿勢が欠かせない」としている。
(酒井花)(01.5.4)

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<ボランティア活動>
 総合的な学習」の一つにボランティア活動があげられている。昨年十二月末、森前首相の私的諮問機関「教育改革国民会議」が「奉仕活動」の義務化を打ち出したが、ボランティア団体などから自発的な精神に反するとして反対の声が上がった。町村信孝・前文科相は四月、中教審に「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策について」諮問している。

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