総合的な学習

期待と不安の中で模索続く


★一番の悩みは評価方法★

水田で米作り
 「今年は田植えや稲刈りだけじゃなく、水の管理もやるんだよ」。佐々木修一教諭が呼び掛けると、子供たちから「米の種類を調べたい」「新しいお米の料理を作りたい」と要望が返ってきた。
 児童・生徒が自らやりたいと思う課題を発言し、教師も出来るかぎり子供の意思を尊重する。教師が一方的に説明するこれまでのような授業はここにはない。

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来年度からスタートする総合的な学習。各校では指導方法など模索が続いている(音更町豊田小の米作り)
 音更町豊田小学校(西島寛校長、児童25人)で4月25日に開かれた「総合的な学習」の取り組みを決める活動計画の授業。昨年は校舎南側の水田で米作りをしながら、インターネットで新潟の稲作について調べたり、今ではすっかり見られなくなった豊田の米作りについておじいちゃん、おばあちゃんに聞いたりもした。
 体験学習と異なるのは、子供たち自身が課題を見つけ、調べ、まとめ上げる点。6年の古池岳洸君(11)と中島将行君(11)は「楽しいけど難しい。普通の授業のほうがいいときもあるよ」と互いに顔を見合わせてうなずいた。
 これまでの算数や国語とは違う「総合的な学習」が来年4月から小・中学校で完全実施される。知識の詰め込みではなく子供たちの考える力を伸ばす試みだが、期待と不安の中、学校の模索は今も続いている。

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受け入れ先が困惑
 「総合的な学習」は授業の中身が自由に決められ、学校の創意工夫に任せられている。「国から指針のない授業は学校にとって初めての経験」(中村吉昭豊田小教頭)。ここ1、2年、車いす体験やそば打ち、アイヌ文化学習などさまざまな授業が試されているものの、受け入れ先からは「協力要請が殺到して困惑している」という声も上がり、混乱が垣間見える。
 昨年10月、管内で開かれた全道へき地校研究大会の中で、「総合的な学習」について意見が交わされた。「子供たちが自ら考えるという意味で画期的」と期待の一方、「一過性の遊びになる恐れもある」と不安視する指摘もあった。
 学校にとって今一番の悩みは「評価」。豊田小では課題の達成度だけではなく、毎時間の子供の取り組みも評価する方針。99年から「総合的な学習」を進める帯広花園小(久門好行校長、児童339人)は、児童による自己評価も取り入れようとしている。

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指導の重要性増す
 ただ、両校とも「子供たちに興味を持たせ、いかに疑問点を引き出すか」(中村教頭)、「教師の視野の広さが問われる」(久門校長)と指導の重要性が今後増していくとみている。
 「総合的な学習」は子供たちの学習方法を一変させるだけではない。将来的には教師の力量や学校間格差を如実に映すリトマス紙の役目を果たすのかもしれない。
(猫島一人)(01.5.3)

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<総合的な学習>
 1998年に出された新しい学習指導要領案で初めて示された。2000−01年の移行期を経て、02年から小学3年生以上に導入される。授業数は年間105時間。おおむね週3時間、完全週4日制への移行で、全体の授業数に占める割合も小さくはない。03年には高校でもスタートする。

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