情報教育

実態に合わせたIT活用大切


★教員の技術向上と連携を★

慣れた手付きで
 「一位っていう字はもっと右の方がいいよ」「字を大きくしようか」「紙が余っているから絵も入れる?」
 鹿追町の上幌内小学校では、児童会の子供たちが放課後、パソコンでランキング表の作成に取り組んでいた。数人の児童が慣れた手付きでマウスを操作する横で、別の児童から次々と新しいアイデアが飛び出す。画面を見つめる子供たちの目は生き生きと輝いている。
 同校にパソコンが導入されたのは1984年。複式校では全国初。当時は教師の教材研究や子供の操作体験に使われた。現在は、数年前に機種更新したパソコンが四台あり、そのうち3台が児童用。インターネット接続はされていないが、ソフトを利用して行事のポスター作りや調べ学習を行っている。

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パソコンを使い、互いに意見を出し合いながら文書や表を作成する子供たち。ITは子供の感性や能力を育てる有効手段となるのか(鹿追町上幌内小学校で)

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教員も手探り状態
 「でも、パソコンはあくまでも一つの道具」と、同校の土屋昌巳教諭は強調する。IT(情報技術)の言葉が流布し、機器の操作技術ばかりが取りざたされる中、「コンピューターを使い教育で何を目指すのかが見えない」と感じている。「大切なのは、子供の実態に合わせた活用であること。機械と人間が向き合う構図を作るのではなく、子供たちのコミュニケーションや考える力につながる使い方が必要」
 芽室町上美生中学校では99年度から、総合的な学習に「情報の活用」を採り入れた。昨年度は環境をテーマにパソコンで情報収集し、集めた情報をもとに1年生と2年生がディベート、3年生はパネルディスカッションを行った。
 担当した村上有子、藤原理絵の両教諭は「情報内容を理解・吟味する姿勢が生徒に見られた」と評価。一方で「教員も手探り状態のため、教材準備から授業までどれをとっても時間がかかりすぎた」と振り返る。新学習指導要領で技術家庭科の単元に「情報とコンピューター」が必修となるが、同校では「教員のパソコン技術向上と教員間の連携強化が必要」と受け止める。

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まずは環境整備
 管内学校のパソコン設置台数は、半数の町村で小学校2人1台(20台)、中学校1人1台(40台)の水準に達している。一方、学校数が多い帯広市などでは一気に整備を進めづらく、町村との格差が生じている。また農村部では、パソコン自体は設置していても通信回線が敷設されていない悩みもある。
 「今後は有害情報の規制やセキュリティーなどが当然問題となるだろうが、まずは環境整備が先。ITに対する教員の考え方や取り組みも、まだまだという部分が多い」と十勝・帯広コンピューター教育利用研究会の岩野真志会長(鹿追小教頭)。ITをどう活用すれば子供たちの能力や感性を伸ばせるのか、現場教員の模索は続く。
(池田有紀)(01.5.2)

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<情報教育>
 情報化に対応できるよう、パソコン操作やソフトウエアを用いた情報処理、情報を扱うためのルールなどを学ぶ。新学習指導要領では、中学校の技術家庭科の単元に「情報とコンピューター」、高校の新教科に「情報」が位置付けられ、必修となる。文部科学省では、05年度までに学校のパソコン配置台数を一人一台体制にする計画。

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