週5日制

“行き場”確保大人の協力必要


★共働きの家庭に戸惑いも★

 「夫婦でサービス業に従事しており、土曜日は仕事の場合も多い。毎週、子供と一緒に過ごすわけにはいかない」。市内の小学3年女子の母親(30)は、困惑した表情を見せる。同級生の家庭も共働きが多く、新たな制度に戸惑いを感じている声も多い。
 来年4月から学校週5日制が完全実施され、毎週土曜日は学校が休みになる。子供たちにとって、自らさまざまな課外活動を選べる機会が広がるが、そのためには学校現場と家庭、地域社会の三者による密接な協力・連携が不可欠。しかし、子供たちに十分な“行き場”を与える上では、大人社会の構造、意識の変革が求められている。

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体育館など開放
 帯広市内では8つの小学校で毎月第2、第4土曜日の午前中、各校の教頭が推薦した地域指導員の監督のもと体育館などを開放している。市教委では昨年5月、8校のうち緑丘小と栄小の2校で月1回、新たな学校開放事業「わくわくランド」をスタートした。
 初年度は月1回、計10回にわたり、ボランティア団体の協力を得て手品や工作などを展開。学童保育の子供たちも含め、延べ712人の親子が参加した。今年度も5月中旬から、柏小を加えた3校で開催する。

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週末の子供たちの行き場づくりには、大人社会の積極的なかかわりが求められている(4月28日、帯広市立啓北小で)

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講師探しも大変
 市教委女性青少年課の小川泰子係長は「現在、子供たちを指導しているグループは3つ。土曜日の休みが多くなっても、実施回数は簡単に増やせない」と説明。「完全週5日制への対処としては校区単位で実施しているコミュニティー講座の子供版なども考えられるが、わくわくランドと同様、地域で講師役を引き受けてくれる人を探すのが大変」と打ち明ける。
 市教委では来年度から、新たな受け皿として、学校図書館の土、日曜開放も検討。小川係長は「学校開放はあくまでも、有意義な週末を過ごす選択肢の一つ。学校に来なくても、親子が一緒に余暇を楽しめればそれでよい」と話す。

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「塾通い必要に」
 一方、完全週5日制には授業内容の削減が伴うことから、「週末の塾通いが必要になるのでは」という声も聞かれる。市内の大手学習塾は「土曜日の授業時間を拡充する考えは今のところない」と静観する構えだが、家族の生活が多様化する中、行き場のない子供たちの非行も懸念される。
 こうした状況に、学校現場も不安をのぞかせる。帯広市内のある小学校長は「完全週5日制の目的は家庭、地域教育の場に子供たちを返すこと。児童には探求心などを持つよう教えているが、周囲の大人の協力なしには実を結ばない」と訴えている。
(岩城由彦)(01.5.1)

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<学校週5日制>
 1992年度、月1回の土曜日休業でスタート。95年度に月2回に拡大された。完全週5日制で、1年の45%に当たる165日間が休業日となる。中教審は5日制に向け「学校、家庭、地域社会が一体となり、生活体験、自然体験、社会体験など豊かな体験活動の機会をさらに充実することが重要」と答申で指摘している。

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