母乳中のダイオキシン
許容量の6倍

前回より減少〜厚生省調査

厚生省の「母乳中のダイオキシン検討会」は7日、発がん性などの強い毒性を持つダイオキシンの母乳中の濃度についての中間報告をまとめた。埼玉県など4都府県で調べた母乳中のダイオキシンは、新生児の摂取量換算で、厚生省が定めた1日当たりの耐容量(許容量)の約6倍含まれていることが分かった。

厚生省は「母乳は一生飲むものではなく、耐容量と直接比較するのは不適切」と安全性を強調、「子供の発育の上で母乳の有効性は大きい」としている。

昨年秋から埼玉、東京、石川、大阪の4都府県の初産婦80人を対象に母乳中のダイオキシンを調査。母乳中の脂肪1グラム当たりの濃度は、出産後5日目に採取したもので平均17.4ピコグラム(1ピコグラムは1兆分の1グラム)で、1994〜95年度にかけて厚生省が調査した結果(26.6ピコグラム)を下回った。しかし、赤ちゃんが体重1キロ当たり120グラムの母乳を飲むとすると、脂肪の含有量から換算して1日の摂取量は60.4ピコグラムになり、依然として大人の耐容量(10ピコグラム)の6倍の高濃度だった。

検討会メンバーの多田裕・東邦大医学部教授(小児科)は「発育期に高濃度のダイオキシンを摂取することで健康にどんな影響があるか、現段階では何も言えない。世界的にもデータがなく、追跡調査の必要がある」との認識を示した。

また、ごみ処理場付近または人口密集地に住んでいる人とそれ以外の人を比較した結果、ごみ処理場からの距離とダイオキシン濃度の間に相関関係は見られなかった。

厚生省の計画では、産婦80人から出産後300日目までの4回にわたって母乳を採取し、計320サンプルを分析する。中間報告ではこのうち、111サンプルを分析の対象にした。厚生省は来年春までに最終的な調査結果をまとめたいとしている。


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