潜むダイオキシン十勝の現状
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ダイオキシン濃度低い帯広

十勝毎日新聞社が調査した、帯広市内のゴヨウマツ類の葉中に含まれるダイオキシン濃度の測定結果が30日までにまとまった。

<表1>

帯広市内のゴヨウマツ葉中のダイオキシンTEQ濃度
(PCDDとPCDF)
97年十勝毎日新聞社調査

<表2>日本各地のクロマツ葉中のダイオキシンTEQ濃度
(PCDD、PCDF、CO−PCB)
場所 濃度(PgTEQ/g)
北海道
(伊達市)
1.42
岩手県 2.02
千葉県 19.70
東京都 5.41
神奈川県 21.00
静岡県 10.60
愛知県 7.90
岐阜県 2.41
石川県 5.01
三重県 2.58
京都府 8.20
奈良県 10.80
大阪府 19.90
岡山県 7.66
広島県 4.77
山口県 1.00
鳥取県 1.09
福岡県 3.30
大分県 2.23
※95年摂南大学宮田秀明教授調査

それによると、市内5カ所の平均値は葉1グラム当たり1.39ピコグラム(1ピコグラムは1兆分の1グラム)で、全国の数値と比較すると最も低い方の値になる=表参照。5カ所の中では旧清掃工場横が最も高い数値を検出。中央公園でもそれに次ぐ数値となっており、「風向きの影響を受けているのでは」(宮田秀明摂南大学教授)との指摘もある。(年間キャンペーン取材班=山本薫)

ダイオキシンの大気汚染度を測定するには、気象条件で大きく変わる大気そのものより、木の葉などに蓄積されている濃度を調べる方が安定しているため、市内に広く分布しているゴヨウマツ類の葉を今年10月中に採取し、分析機関の島津テクノリサーチ(京都市)に測定を依頼した。

結果は旧清掃工場横で採取した葉の濃度が最も高く、2.8ピコグラムだった。次に中央公園内2.7ピコグラム、緑ケ丘公園内1.3ピコグラムと続く。帯広の森は0.11ピコグラム、清川地区は0.05ピコグラムで、ほとんど検出されない程度の数値だった。

全国のダイオキシン汚染実態を調査している摂南大学薬学部(大阪府枚方市)の宮田教授によると、「旧清掃工場横の数値はダイオキシンの中でもポリ塩化ジベンゾフランの割合が高く、発生源を反映した典型例」だという。ジベンゾフランは一般ごみ焼却炉から排出される排ガスに多く含まれているからだ。

宮田教授は「中央公園、緑ケ丘公園の濃度は旧清掃工場横と似たパターンになっており、もし中心部で、ほかに焼却場などの発生源がないのなら、風向きによって清掃工場の排ガスの影響を受けているのでは」とも指摘している。帯広は冬に北西の風が吹くことが多く、その場合、旧清掃工場、現在のくりりんセンターは市街より風上に位置する。

日本各地の濃度との比較では「ゴヨウマツとクロマツの違いやコプラナーPCBを分析していない点=注参照=で参考程度になるが、帯広市内の平均値は低い部類になる」(宮田教授)という。宮田教授のクロマツによる調査では、全国的には神奈川県、大阪府、千葉県など人口密度の高い地域ほど高濃度の結果が出ている。

<注>
ダイオキシンにはポリ塩化ジベンゾパラジオキシン(PCDD)とポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、コプラナーPCBの3種類がある。十勝毎日新聞社の調査はPCDDとPCDFを分析しているが、宮田教授の調査は3種類とも分析している。そのため、帯広の数値を他地域と比較するには、他地域の数値が4分の1程度コプラナーPCB分を含んでいることを考慮する必要がある。

<TEQ> 実測濃度を毒性換算した数値の意味


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