潜むダイオキシン十勝の現状
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自治体の対応

「ごみ対策は1日もいいかげんにできない問題。中途半端なことで解決はできない」−。今年度いっぱいでじん芥処理場の使用中止を決めた鹿追町の岡野友行町長は語るが、まだ廃止後の対応は決着していない。
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5年後の基準はクリアする北十勝2町環境衛生組合の処理場。処理場の対応について頭を悩ます自治体は多い

昨年12月の検査で、炉の排出ガスから、管内の自治体の一般廃棄物焼却施設では唯一、厚生省が緊急対策を必要とする基準値(80ナノグラム=1ナノグラムは10億分の1グラム)を上回った。緊急措置を行い、16ナノグラムまで下げたものの、これ以上の改善は難しいことなどから十勝環境複合事務組合に組合入りとくりりんセンターの利用を申し入れている。しかし、まだ返事のこない中ぶらりんの状態が続いている。

また、足寄町はごみ減量化の一環として、第4次総合計画に来年度実施を盛り込んでいた小規模焼却施設の建設を取りやめた。両町ともダイオキシン対策への対応から迫られた。

ダイオキシン問題がクローズアップされたこの1年、ごみ対策の新たな政策の施行、転換で、多くの自治体が揺れた。厚生省がダイオキシン類の削減策として打ち出した処理場の「広域化」と「大型化」方針もその一つ。「1日ごみ100トン、人口10万人」の施設の設置を掲げ、来年度からは処理能力が100トン未満の焼却場建設を国庫補助の対象外にする方向だ。

全国で波紋を呼び、埼玉や千葉などでは首長や議員、市民で「反対するネットワークの会」を結成、撤回を求める要望書を提出。管内でも大型化や補助打ち切りに対し、「実現可能な解決策を打ち出さないで、どうしろというのか。小さな自治体は対応に行き詰まる」(町関係者)と特に単独で焼却施設を運営する自治体では不満は大きい。

対策として、十勝支庁では20市町村の意向把握の結果として十勝を1ブロックとし、20年後に1施設とする案をまとめた。さらに、11月下旬には、20市町村、事務組合らで「十勝地域ごみ処理に関する検討会議」を発足させた。

広域化に向け、分別の種類などごみ処理の統一、集約化による搬送などが問題となりそうだが、多くの町村で、「現状をどうするか」が当面問われている。厚生省が12月1日に施行した排出濃度の規制値を定めた省令では、新施設で煙1立方メートル当たり0.1ナノグラム以下、既存施設で5年間は80ナノグラム以下だが、それ以後は1ナノグラム以下としているからだ。

事務組合での運営を含め管内の自治体施設10のうち、現施設で5年後の基準をクリアするとみられるのは、くりりん、北十勝、新得町の3施設。他の施設はなんらかの対応が求められている。

「ごみ処理は焼却だけではなくRDF(高温で乾燥させて固めるごみ燃料)化やたい肥化など選択の幅が広がっている。検討会では各自治体に合った取り組みを模索していきたい」と十勝支庁の川上恵司廃棄物対策係長。また、焼却炉の建設を中止した足寄町の野上俊一町民課長も「焼却炉建設、容器リサイクル法への対応など全体的なことを池北3町で検討していきたい」と語るが、歩みはまだ緒についたばかりで方向性は見えない。

自治体はごみやダイオキシン対策について「住民の命、生活にかかわる」(岡野町長)との認識では一致している。担当課での検討は始まっているが、住民を巻き込んでの論議、理解を深める勉強会の開催などはまだ不十分。出す側の意識改革が必要で、それ相当の財政負担が予想されるだけに、解決策に向け行政と住民のより連携した取り組みが強く求められているのではないか。  (キャンペーン取材班=近藤政晴)


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