市民活動の源流-9-

ガーディアン・エンジェルス・ジャパン
(下)


知名度上がり、地域に浸透
資金確保含め人材がカギ

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将来的にはメンバーが活動の精神を地域に
持ち帰ることを目標とする(写真は小学校
PTAへの安全パトロール指導)

寄付、募金頼りの活動資金確保

 「寄付や謝礼金に依存するボランティア団体にとって活動資金などの予算を立てるのは至難の業」。ガーディアン・エンジェルス・ジャパン(小田啓二代表)は昨年12月1日の“解禁日”にNPOの法人申請したが、その際必要な予算書の作成にかなり手間取ったという。

 現在、ガーディアン・エンジェルスの活動資金のほとんどは東京や全国の法人、個人からの寄付金や街頭募金活動でまかなっている状態。メンバーの交通費などはもちろん自己負担。米国ではそろいのユニホームが「パス」の役割を果たし、地下鉄は「タダ」で乗ることができるのとは大きな違いだ。

 そのような状況の中、確実な予算を立て、組織を維持するため、来年度から「世界で」初めてメンバーから年3,000円の会費を徴収することを決めた。「悩みに悩み抜いた末の選択。NPOになったときの社会的信頼を重視した」(小田代表)。

 会費を徴収しても不足は補いきれず、組織の維持にはスポンサー探しが不可欠。しかし、メンバーはそれぞれ学校や仕事があり、またパトロールなどの“本業”を優先しなければならず、“営業活動”はなかなかはかどらない状況だ。「さまざまな方法を模索しながら活動していくしかない。私たち以外の団体も、これから活動を始めるところは(資金調達は)難しいのでは」(同)と心配する。

 もちろん苦しいことばかりではない。「活動を始めた当初は町で声も掛けてもらえなかったが、最近は知名度も上がり、活動は地域に浸透しつつある」(同)。「東京支部」を立ち上げるとき、小田代表がニューヨークの本部から持たされた資金はわずか4,000ドル(当時で約45万円)。しかし、発足2年目の昨年度は約800万円の収入があった。小田代表は「地域の人々が私たちに、短期間で20倍近い価値と評価を与えてくれた」と胸を張る。

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ガーディアン・エンジェルスもほかの団体と
同じように資金集めには苦心。街頭に立ち、
募金活動するメンバーら

「NPOの手本となる組織に」

 米国や日本の町に入り込み、地域の人々と深くかかわってきた小田代表は、生き生きした町とそうでない町の違いが分かってきたという。「『生き生き』と『活気がある』は違う。黙っていても人が集まる場所は活気があるのは当然。不景気を吹き飛ばす生き生きした町や商店街では、町内会や商店会など地域の各団体がお互いにうまく利用し合っている。原宿はそのいい例。そこには年齢に関係なくさまざまな人が意見を出せる環境がある」

 小田代表は十勝、帯広のような地方での活動について「十分可能性はある」と話す。不況の十勝でスポンサー探しは難しいが、「見て見ないふりをせず、地域の安全を守る」という彼らの精神を見習うべき時代はすぐそこに来ているのかもしれない。

 「これからの日本では、私たちのような活動に対するニーズも増してくるはず。日本の若者やNPOの手本になれるような組織と人材育成に励み、メンバー各自が自分の住む町にガーディアン・エンジェルスの精神や活動を持ち帰り、広められれば」。NPOの成否は、資金と人材がカギを握る。
(年間キャンペーン取材班=工藤敦) (99.1.12)

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<NPOになるには(2)>
 NPO法によって、原則、非営利の社会貢献活動を行う10人以上の社員がいる団体は、基金、資本金がなくても簡単に法人化できるようになった。団体がNPO法の特定非営利活動法人になろうとするときは、認証申請書、定款、社員名簿など必要な書類を、十勝管内に事務所を置く場合は十勝支庁総務部道民生活係に提出する。申請書は2カ月間縦覧公告され、その間に異議の申し出がなく要件を満たしていれば、4カ月以内に道が認証する。認証されれば登記して法人として活動できる。

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