市民活動の源流-8-

ガーディアン・エンジェルス・ジャパン
(上)


地域の安全守る「守護天使」
制服で町をパトロール

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ユニホームを着て町をパトロール
するメンバーら

「今の社会風潮を正したい」

 赤いベレー帽に白いTシャツを着用した数人がグループで町をパトロール。路地裏に座り込む若者たちに「ごみはくずかごに捨てて」などと声をかけていく。ボランティア組織「ガーディアン・エンジェルス・ジャパン」の小田啓二代表(27)は「見て見ないふりをする今の社会風潮を正したい」と強調する。

 世界的なボランティア組織「ガーディアン・エンジェルス」(カーティス・スリワ総代表、本部ニューヨーク)は、地域の安全を自らの手で守るため、世界10カ国50都市でパトロール活動などを行っており、「−ジャパン」はその日本版だ。1996年東京に発足、10代から20代を中心に新宿や渋谷などの繁華街をボランティアでにパトロールしている。

 「ガーディアン・エンジェルス」は「守護天使」を意味し、米国で活動していた小田代表が日本でも欧米並みに犯罪が凶悪化していることを感じ、旗揚げ。NPO申請要件の一つである「地域安全活動」を念頭に置いた活動を展開する全国でも珍しい団体だ。

 「荒廃した町には犯罪者がはびこる。だから時には小学生と一緒に町の壁の落書きをペンキで消したりもする」。犯罪抑止効果を狙った町の美化活動のほか、月2回、外部から講師を招き、会員や地域住民を対象とした防犯に関する講演会なども実施。一昨年からは小学校のPTAに地域パトロールの指導を開始、“専門家”の目で巡回のポイントなどを説明し、父母らの称賛を受けている。

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参加型社会の構築の実現に向け
期待されている「県民活動
サポートセンター」

護身術を学び、精神面の強化も

 16歳から66歳の約150人が登録し、女性も3割を占める。メンバーは週1回、護身術を学び、肉体面はもちろん、あらゆる場面に対応できる精神面の強化を図る。

 活動が知られるに従い、マスコミが取り上げる機会も増えた。「そろいのユニホームからか、『自警団』として扱われるのは困る。私たちは武装しないし、相手を傷つけてまで自分たちの安全を守ろうとはしない」(小田代表)。ハードなイメージが先行し、メンバーの武田信彦さんは「かっこいいというイメージで入ってくるメンバーも多いが、活動のほとんどは地道なごみ拾い」と話す。東京などの大都市のみに必要な活動と思われがちだが、帯広のような地方都市でも十分に受け入れられる活動であろう。

 ボランティア団体にとって地域とのかかわり方は重要。表参道のクリスマス・イルミネーションの点灯中、ガーディアン・エンジェルスとともに警備を行った原宿地区商店会連合会の一人は「まだ活動は小規模だが、今後は町を支える大きな力になってほしい」と期待する。原宿署神宮前交番の巡査も「直接的にはかかわりがないが、目に見えないところで助けられているかもしれない」と話す。

本格的活動目指して法人申請

 「パトロールを始めたからといって目に見えて町は変わるものではない。今後の地道な継続が必要」と47歳のメンバー浅賀義孝さん。小田代表は「私たちの活動を通し、地域の人たちが『日本でも安全はタダではない』ことに気付くきっかけになれば」と意欲を見せる。そして、本格的な活動へ向け、既に昨年12月1日、NPO法人申請を済ませた。
(年間キャンペーン取材班=工藤敦) (99.1.11)

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<NPOになるには(1)>
 NPO法に基づく特定非営利活動法人となるには、法律に示されている福祉、社会教育、まちづくりなどの活動をする、営利を目的としない団体であるという条件のほかに、次の要件を満たす必要がある。(1)社員(会員)の資格の取得、喪失に関して不当な条件をつけない(2)10人以上の社員(会員)がいる(3)理事3人以上、監事1人以上を置く(4)役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下である。そのほかに、宗教や政治上の主義を推進または反対したり、公職者や政党を支持したり、特定の個人、法人の利益を目的とする団体は認められない。

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