市民活動の源流-4-

仙台から(上)


市民自ら考え行動し提言
主体的に行政課題解決

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せんだい・みやぎNPOセンター(仙台市青葉区)。市民団体ハンドブックの編集に取り組むセンターのボランティアスタッフたち

市民参加と政策提言を機軸に

 「議員というのはメンツがあって、市民が行政に政策を提言すると、自分の領分が侵される思いが強い。でも、こうした活動は本来は市民にとって当然のこと。いろんな場面で仕掛けをつくり、今、そのトレーニングをしている」−。

 仙台市青葉区のアパートの一室に事務所を構える「せんだい・みやぎNPOセンター」。そのリーダー的存在の加藤哲夫代表幹事がNPOとしてのセンターの存在意義を説明する。  国内四番目の民間NPO支援組織として1997年11月に発足。以来、展開してきた活動方針は「市民参加・政策提言」が機軸。加藤代表幹事が「行政とのパートナーシップのモデルケースになった」というのが、3月に仙台市が提案予定の「ごみポイ捨て禁止条例」案制定に向けた取り組みだ。

 同市環境局と連携し「ポイ捨てごみから、まちづくりを考えるキャンペーン」を展開、昨年6月から8月に区ごとのフォーラムを5回開催した。どの会場も大盛況で「普段、行政に対して発言する機会のない高齢者が生き生きと持論を展開した」と加藤代表幹事。10月に開かれた全市的な市民フォーラムでは、加藤代表幹事自らがコーディネーターを務め、市民が行動するための計画案を集約した。

 「この問題は、道徳主義的な運動では限界がある。行政側にも(課題解決の)理論がない。ごみのポイ捨ての実態調査に始まり、ごみの出どころを分析し、どうしたらごみがなくなるかまでを市民自らが考え、行動し提言する。このサイクルを繰り返し、市民が主体的に行政課題を解決していくのがNPOの役割」と加藤代表幹事は言い切る。

 同センターでは、宮城県のNPO活動促進条例(昨年12月可決)の際にも、県議会に対し、条例の当事者として独自に作成した条例案を提出するなど、積極的に行政・議会サイドに関与。「政策決定過程での参画など、まちづくり全体にかかわってもらうグループ。これからも活動を期待したい」(仙台市地域振興課)と、行政のパートナーとしての評価は高い。

 その仙台市も、市民活動団体を紹介するハンドブックの編集を同センターに発注、全国でもあまり例がない「市民活動保険制度」の創設(97年)や「市民活動サポートセンター」の整備(今年6月開館予定)など、全国自治体に先駆けた取り組みを進めている。

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「NPOには政策提言が必要」という、
せんだい・みやぎNPOセンターの
加藤哲夫代表幹事

行政の下請けではない独立性を

 こうした社会的基盤整備が進む中、NPOに問われるのは「行政の下請けにならないための独立性」だと加藤代表幹事は言う。「自分たちがどんな活動をしている団体かを広くアピールし、それぞれの分野で地域ニーズのデザインを描き、自らの政策を行政に提言していくこと」−。同センターの活動は、法人化を目指すNPOの方向性を示唆している。 (年間キャンペーン取材班=鈴木裕之) (99.1.6)

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<NPO法の範囲>
 NPO法では特定非営利活動の範囲を、12挙げている。(1)保健、医療、福祉(2)社会教育(3)まちづくり(4)文化、芸術、スポーツ(5)環境保全(6)災害救援(7)地域安全(8)人権擁護、平和(9)国際協力(10)男女共同参画社会の形成(11)子供の健全育成(12)前に掲げる活動を行う団体の運営または活動に関する、連絡、助言、援助−と、あらゆる公共活動を網羅する。分野に分けてはいるが、例えば大震災が起きたとき、被災者を救援し医療、福祉的ケアをするというように複数の分野にまたがって活動するNPOもあり、そうした活動も当然認められる。

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