十勝の課題-6-

社会的認知


かかせない一般への周知
活動の意義アピールを

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NPO法人などが発行している会報や機関紙。NPO自身の情報発信が強く求められている

■情報発信必要

 「役場の“下請け”団体とみられがちだし、単なるボランティアでの活動団体と思われているような問い合わせもけっこうある」。今月にNPO法人となった新得町の「地域福祉支援センター・ちいさな手」の清野光彦理事は、困惑気味にこう話す。

 同団体は、介護保険制度のスタートに伴い、ケアプランの作成やホームヘルパーの派遣業務を有料で請け負う。行政の一翼を担う存在ではあるが、独自の法人格を持っている。また、利益優先ではないものの、持続した活動を行っていく意味でもサービスは有料、ボランティア団体とも一線を画する。

 清野理事は「ホームヘルパー講習会などで地道に活動をアピールしていくしかないかな」と苦笑する。

 「いかに広く情報を発信していくか」。どの団体も、人材や財政不足といった市民団体共通の課題を解消する糸口にしていきたいと考えている。

 NPO法人化の支援などを目指している「帯広NPO28サロン」ではNPO法人認証後、まず会報を出した。11月には活動拠点となる共同事務所が完成する予定で、そこで各種イベントを開催するほか、地域住民に自由に使ってもらうスペースにする。太田昇専務理事は「人が多く出入りすることで、活動自体も徐々に理解してもらえるはず」と考えている。

■全国レベルに

 人と馬が親しむ「キッズカウボーイ」などのイベントを展開する「十勝馬の道連絡協議会」では6年前からインターネットにホームページ(HP)を開設、「十勝に行って馬に乗りたい」「馬関係の就職はあるか」などメールが全国から続々と届いている。

 「われわれの活動の一つには乗馬を通じた観光事業がある。全国レベルで興味を持ってもらうことが重要で、HPを見た人の中からイベントにかかわってくれる人が増えてくれれば」と高堂雅美専務理事。今年からは専門業者に制作を委託、情報量を増やしている。

■自ら外に出る

 NPO法の施行を一つのきっかけとして活動をスタートさせた団体の場合、なおさら「認知」の重要性を感じている。

 浦幌町で昨年8月にグループホーム運営をスタートした「オーディナリーサーバンツ」は今年3月、「婦人の日」のイベント会場に通所者を連れていった。階段は上がれないので、あきらめて帰ろうとしたところ、一般の来場者数人が駆け寄り、2階まで車いすを抱えて運んでくれた。そして場内も一緒に回って案内をしてくれた。

 「お年寄りたちを外へ連れ出すことに不安はあった。だが、自分たちから外に出向いて多くの人にその姿を見てもらうことが一番の情報発信だと思った」。五十嵐友子施設長は力強く、こう言い切った。

 市民ネットワークをさらに発展させるためには、一般への認知は欠かせない。NPO自身が活動の社会的意義をいかにアピールしていくか。各団体の認知に向けた取り組みも始まったばかりだ。  (年間キャンペーン取材班、第三部おわり)  この連載は鈴木裕之、道下恵次、山本薫、岩城由彦、植木康則、佐藤いづみ、猫島一人、本田裕一が担当しました。 (99.8.25)

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