十勝の課題-5-

収益事業


新たなビジネスチャンス模策
自らの手で資金確保を

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介護保険導入をにらんだ社会福祉協議会の介護講習会。社会ニーズに合致した、時宜を得た収益事業が、NPOにも求められている

■経営感覚が重要

 「NPO自身が経営的感覚を持つことが重要。収益はあくまでも継続した組織運営を行っていく上で必要な資金を、自らの手で確保するということ」とNPO28サロンの太田昇代表はNPOの経済的自立の必要性を訴える。

 管内のNPO法人あるいは法人取得を目指す市民団体の多くは、脆(ぜい)弱な財政基盤の中での活動を強いられている。各団体の中心メンバーは少なからず私費を投じ、組織を維持しているのが現状だ。

 「スタッフの業務量が増えていけば、ボランティアの精神だけでは、組織を維持していけない。スタッフの業務対価としての経済的手当を考えなければ、若いスタッフも育たない」(ママサポートえぷろん・森内年子代表)との懸念もある。

 「企業や個人からの寄付、行政からの補助金は大事な収入源だが、いつまでもそれに頼っていては自立できない」(阿部皎・十勝文化会議事務局長)というように、NPO自身が収益事業をどう創出し、展開していくかが、大きな課題となっている。

 元来、NPOは非営利の活動団体だが、各種の社会貢献活動で生じた収益は、以降の活動資金として社会に投入することが、活動を活性化する一助ともなる。

■資格の普及を

 NPO28サロンでは、収益事業の展開を前提にした「リバーマスター」の資格を普及させたいと考えている。「十勝には自然、川が豊富。今後、学校教育の現場でも体験型を重要視してくる。川や自然全般を説明出来るガイド役として、学校などへ人材を派遣できれば」と太田代表。自然に関する専門知識を持つ教諭は多くなく、新たな事業の発掘につながるとみる。このほか、講習会の開催によるホームヘルパーの養成、派遣事業への展開を検討しているという。

 一方、来年4月の介護保険制度導入を目前に控え、管内の福祉型NPOも、新たなビジネスチャンスを模索している。介護保険のケアプラン作成とホームヘルパー派遣事業を手掛ける、地域支援センター「ちいさな手」(新得)では「人件費の確保が必要だか、介護報酬が決まっていない中では、どの程度の資金が必要なのか未知数。新たな収益事業として社会福祉士事務所を立ち上げる計画」(清野祥子代表)という。

 また、ママサポートえぷろんも「託児保育や家事援助は不定期業務で安定収入を見込めない」(森内年子代表)として、将来構想として介護食事サービスやおむつの宅配サービスなどの事業拡大をにらむ。

■具体化は少数

 ただ、収益事業が具体化している団体はまだ少数。十勝馬の道連絡協議会の高堂雅美専務理事は「将来的に考えなければならないが、今のところはっきりとした事業がない」と話す。非営利をうたうNPO法人であるが故に、収益事業の「ものさし」がなく、ジレンマを感じている団体も少なくない。「社会が求めることを敏感に察知し、NPOならではの事業を展開することが収益を上げるコツ」提言する太田代表の言葉が、「自立するNPO」のキーワードとして浮かび上がってくる。 (年間キャンペーン取材班) (99.8.24)

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