十勝の課題-2-

行政との提携-2-


活動しやすい土壌を
相互依存から協働へ

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行政がNPO法人の活動を理解し、対等な立場で連携を深める姿勢が求められている(十勝支庁環境生活課道民生活係のNPO法人申請窓口)

 「労働省が創設した緊急地域雇用特別交付金は、本来なら民間企業のみが対象でも問題ないはず。あえてNPO(特定非営利活動法人)を併記したことに、国の期待を感じる。しかし十勝では、どの市町村もNPO法人を委託予定先として申請するまでには至らなかった」−。

 十勝支庁経済部商工労働観光課の山元吉雄副主幹兼労働係長は、NPO法人の活用をめぐる中央と地方の温度差を指摘する。

■事務局大半は市

 「補助制度や施設整備も考えたが、まず自治体のすべきことはNPO(民間非営利組織)が活動しやすい土壌づくり」−。管内市町村で最初にNPO窓口を設けた帯広市の住民活動課は、NPOに対する当面の施策についてこう答えた。

 同課の調べによると、帯広市内のNPO、市民団体は約210団体。内訳は、福祉の90団体が最も多く、続いて文化・芸術の30団体、社会教育20団体、人権・平和、子供の健全育成各15団体の順だった。「この数は人口16万人規模の都市としては多い」と同課は説明する。

 一方、「帯広・十勝で本当に市民活動が盛んなのか」と指摘する関係者も少なくない。この210団体の多くは市に事務局があり、市職員が経理や事務を担当している。ある市職員は「住民は行財政改革と言うが、こうした業務が行政の仕事を増やしている。確かに自治体はこれらの住民団体を推進していく立場だが、一から十まで行政任せというのではおかしい」と話す。

 管内の自治体も、行財政改革で経費を節減するため、NPOの活用を打ち出していることは否めない。既に、浦幌町は「オーディナリー・サーバンツ」に高齢者のグループホーム運営という福祉事業を委託、音更町は「音更町文化事業協会」に補助金を出し、芸術・文化の振興を図る。市も「現状では、NPOに事業を委託できるようになるには程遠いが、長い将来を展望すると必要になってくる」(同課)と見る。

■事業すみ分けを

 しかし、そうした自治体の態度にNPO側は敏感だ。自らNPO活動に携わる自治体職員は「NPOに委託した方が安上がりだからといって、何でも事業を委託しようというのは危険。(1)市民だけでできる活動(2)市民と行政の協働がふさわしい活動(3)行政がやるべき活動−の3種類に分類して、すみ分けをしなければ。そうでないとNPOは行政の下請けになり、対等な関係を維持できなくなる」と危ぐする。

 また、行政からの補助金に対しても、太田昇NPO28サロン専務理事は「行政に対し、財政的に『おんぶにだっこ』では絶対ダメ。助成金を受けるのではなく、事業委託を受けるということで、対等な立場でいることが大事」と“行政からの自立”を強調する。

■情報提供が必要

 相互依存から協働へ−。住民団体と自治体との関係は転換期を迎え、施設整備、補助制度の創設など従来の支援制度が問われている。「市町村レベルでできるのはNPO活動に参加したい人のための情報提供ではないか」と市住民活動課。団体の紹介、ボランティアの募集、イベントの告知などNPOに関する情報は無数にあるが、これまで情報を提供する窓口、機関は管内に皆無だった。同課では今後、広報やインターネットを使い、NPO活動をPRしていきたい考えだ。

 「住民も公のために何かしたいという気持ちがある。その気持ちをサポートするのが自治体の仕事なのでは」と、ある自治体職員は語る。NPO活動への関心の芽を育てる“土壌づくり”が管内の自治体には求められている。 (年間キャンペーン取材班) (99.8.19)

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