十勝での息吹-7-

音更町文化事業協会十勝文化会議


文化事業を民間主導に
財源確保などメリット

◇  ◇  ◇

phot

音更町が取り組む北海道舞台塾事業の実行
委員会も、文化事業協会が持っている。
写真は事業の1つで5月に実施した
ドラマワークショップ体験会

民間の寄付集めやすく

 コンサートや展覧会など、文化事業組織が法人化を目指す理由として、民間資金や行政の補助あるいは事業委託を受けやすくするという、財源確保のメリットを期待する声が強い。「NPO法は近い将来に寄付の税控除が盛り込まれるのは間違いない。それを見越して、今から法人になっておきたい」(音更町文化事業協会)と、特に民間からの寄付を集めやすくするのが狙いだ。  十勝では文化事業関係で二つの組織がNPO法人化に動いている。

 その一つが音更町文化事業協会。同協会は、音更町文化センターが建てられる2年前の1984年に、センターで行われる事業に住民の希望を反映させようと、舞台公演を住民が自ら企画、主催する事業主体として発足した。同じような組織は幕別などほかの町にもあるが、管内では音更がNPO法人化への動きを先行させている。

 同協会は今年度、恒例の「白石加代子百物語」やコンサートなど17事業を実施する。予算は1900万円。そのうち入場料収入で5割近い900万円を見込み、あとは町からの補助金500万円、賛助会員になっている企業など民間からの寄付230万円を収入の柱にしている。町の補助に頼る割合は低くない。

 NPO法が成立してすぐ、役員会で法人化の検討が始まった。「法の狙いは私たちの活動と合致する。検討すべきいくつかの項目はあるが、(NPO法人化は)会にとってプラスになるという考えは一致した」と高金國男事務局長。4月の総会に提案し了承を得たので、7月をめどに申請する運びだ。

 特にプラスであると考えたのが、法人化することで会の社会的信用が高まる点と、将来税制優遇されれば寄付が集めやすくなる点。

背景に自治体の財政難

 背景には、自治体の財政難がある。音更町も例にもれず余裕があるわけではない。「幸いに音更町は文化事業に熱心ではあるが、このご時世ではいつ補助金を減らされるか分からない」(高金事務局長)。今年は昨年並の額を受けられそうだが、財政難で切り捨てられやすいのが文化事業。だからこそ法人化によって「民間資金の導入を強化したい」(同)という。

 また、会が抱える問題として会員の固定化がある。現在約80人の会員は発足当時からの人も多く、高齢化が進んでいるのも悩み。若年層を取り込まなければ組織が先細りするのは明らかだ。申請準備を支えている音更町文化センターの五十嵐隆男館長は「これからますます民間組織が行政に参画する社会になる。それを先取りして、協会が人格を持ち新しい組織になっておくべき」と強調する。

行政にできないものを補う

 もう一つ、4月5日に申請したのが十勝文化会議。実は、同会議は以前に公益法人化を考えたが条件クリアが難しくそのままになっていたところ、ハードルが低く簡単に法人化できるNPO法が成立したことを受けてすぐに準備に入った。

 同会議も寄付の税控除を見越して民間から資金が得やすくなるメリットを第一に挙げる。また法人になることで行政の委託事業が受けられることも意識している。「これまでもやってきたことだか、より民間の力を結集、発揮して行政にできないものを文化会議が補いたい」と阿部皎事務局長は熱意を込める。

 両者に共通しているのは、文化事業を官主導から民主導へという考え方だ。その手段にNPO法人化がある。(年間キャンペーン取材班=山本薫) (第二部おわり) (99.6.11)

◇  ◇  ◇

<音更町文化事業協会>
1984年設立。丸山信之会長。町民手作りの文化の創造、鑑賞機会の充実を目指す。会員は約80人。企業や団体の賛助会員が約230件。音更町文化センターに事務所を置く。音更町木野西通15ノ8。電話31-5215

<十勝文化会議>
1982年設立。林光繁理事長。管内の文化にかかわる人材を横断的につなぎ、地域文化の発掘、育成を目指す。美術、音楽など10部会を持つ。会員は約250人。87年に「十勝文化賞」を創設。事務局は十勝毎日新聞社事業部。帯広市東1南8。電話(22)7555

|7|
index


HOME