十勝での息吹-3-

十勝馬の道連絡協議会


乗馬を観光の目的に
社会的認知を受け事業拡大

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長期的な計画にも取り組み

 「これまでは趣味の範囲内で会員の手弁当で活動してきたが、組織体制が整う法人化で、さらに事業を拡大していくことになると思う」。十勝馬の道連絡協議会理事長の佐藤邦忠さん(59)は法人化申請を正式に決めた4月24日の総会後、こう話した。同協議会は発足以来、乗馬の普及を目的に海外視察や講習会、各種大会を実施してきたが、法人化でさらに乗馬を十勝観光の目玉として育て、子供たちの情操教育にも利用しようという長期的な計画にも取り組もうとしている。

 同協議会はNPO法の成立を見越し、2年前からすでに情報収集を始めていた。昨年末からは2度の幹事会を開くなど準備は本格化し、総会後の4月26日に十勝市庁に申請書を提出、今月末か7月初めにも認証される見込みだ。

行政との連携などプラス面

 法人化の目的を専務理事の高堂雅美さん(47)は「社会的認知」を強調する。同協議会は1996年に「ホースキャンプinとかち」を主催した。乗馬のほかカヌーや熱気球などのアウトドアを組み入れた体験型の旅行企画で、本州を中心に約65人を集めた。十勝の観光の在り方を示す好例となったが、準備段階では任意団体のため十勝支庁や帯広市など行政の後援、協力を得るのに苦労したという。

 法人化は社会的に認められるプラス面があり、「行政との連携はずっと図りやすくなり、これまで協議会単独では難しかった事業もできるようになりそうだ」と高堂さんは見る。

 十勝の乗馬を取り囲む環境をみると、道外を中心に高いニーズはあるが、受け入れる態勢は整っていない。「ホースキャンプ〜」は翌年も開催するほど好評で、乗馬が観光資源として有望なことを証明したが、乗馬に適した馬は管内合わせても100−120頭と、まったく足りない。同協議会は最低でも500頭の確保が必要とみており、まず調教師の育成に取り組みたい考えだ。

地元の子供対象にイベント

 また、馬とともに過ごし、生き物を大切にする心や参加者同士の友情をはぐくむ「キッズカウボーイ」を今年も7月に開く。管内に住む子供たちが2泊3日の日程で馬の世話や乗馬、自分たちの食事の用意など共同作業を営む。「対外的にいくら乗馬の魅力を発信し続けても、地元の人が楽しまなければ意味がない。特に十勝の子供たちは意外に馬に触れたことがない。今、体験しておけば大きくなってからも馬に親しみたいと感じてもらえるでしょう」(高堂さん)。法人化でこれらの事業にも見通しが立ってきた。

 同協議会の目指す乗馬振興には「キッズカウボーイ」のように長期間続けてこそ意味のあるものばかりで、地道な運営努力が求められる。法人化は定款を定め財務処理が厳密になるなど、いわば“会社”になるようなもの。会員や事務局が「重責」を再認識する一つのきっかけにもなっているようだ。
(年間キャンペーン取材班=猫島一人) (99.6.5)

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<メモ>
1993年3月に設立。理事長は佐藤邦忠氏で、会員は約160の団体、個人。乗馬を通じた地域文化の創造が目的で、関連イベントの企画運営、講習会や研修会の開催などを推進している。
事務局は帯広市西3南23  電話(25)1931。

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