十勝での息吹-1-

帯広NPO28サロン


幅広い支援活動目指す
ボランティア、法人育成へ

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任意団体の活動に限界

 「面倒な手続きをしてまで申請したのは、任意団体がボランティア活動をするのに、社会的信用や資金調達が難しく、情報を収集するにも限界があったからだ」。今年4月に十勝管内で初めてNPO法人の認証を受けた「帯広NPO28サロン」の専務理事である太田昇さん(67)は、NPO法人の取得意義をこう説明する。

 任意団体の場合、事務所を設置するだけの資金もないため、個人、それも代表者の自宅に事務局を置く例が多い。自らも複数のボランティア団体の代表を務める太田さんは「1日に10数件も電話が来る日もあり、私が不在のときなど、活動についてよく分からない家族が対応しなければならず、大変な思いをした」と振り返る。

 そこで、法人格を取得することでこれらの課題を解消し、同時にNPO法人の育成に向け、幅広い支援活動を行っていくためにも新たな組織、同サロンを立ち上げることにした。

 その拠点が11月にも完成する。帯広市西1南28で長年営業してきた、銭湯「京の湯」の建物。理事長の千葉さんの夫が死去する4年前まで経営してきた。千葉さんの娘で、常務理事でもある養子さん(51)の長年の夢だったグループホーム建設が実現することになり、そこにサロンの事務所も併設する。

ソフト面でもバックアップ

 社員(会員)が電話やファクスなどを自由に使える会費制(月千円)の共同事務所や町内会、子供会など地域住民が気軽に使えるスペースにするが、単に場所を貸し与えるだけではなく、ソフト面でもバックアップしていく点が最大の特徴だ。

 例えば、社員にとって有効な事業の企画・展開などを担う「コーディネーター」を置く。今年度は、NPO講演会や、福祉団体への支援事業として「ホームヘルパーの養成講座」の開催を予定。社員が活動に行き詰まった際には、弁護士や学者などの「アドバイザー」にも相談できる。  また、今月から機関紙の発行をスタートさせ、社員の活動紹介やNPO関連の動きも順次提供するほか、定期的に例会を開くことで社員間の交流を進めていく。「今後、NPO法人の取得を目指す団体が出てほしい」と太田さん。

運営資金など理事らが負担

 ただ、法人化で財産管理ができるようになったとはいえ、今のところ運営資金のほとんどは企業財団などの寄付に頼らざるを得ないのが現状。この不況下、円滑な確保ができるとも限らなく、事務所の建設費用や運営資金一つとっても、千葉さんなど理事らが負担しており、「軌道に乗るまでは投資と割り切っている」と口をそろえる。

 太田さんは「もちろん、法人となったことのメリットがある。例えば、ホームヘルパー資格講座も、法人だから道の委託申請が可能になった。講師やスタッフもボランティアで賄い、低料金での開催を目指す」と力説。

 NPOは動きだしたばかり。同サロンの安定運営こそが、管内におけるNPO活動の試金石といえそうだ。(年間キャンペーン取材班=佐藤いづみ) (99.6.2)

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 昨年12月に特定非営利活動促進法(NPO法)が施行されて以来、十勝管内でも各種団体がNPO法人化の動きを活発にしている。年間キャンペーン「広がれ市民ネットワーク−NPOは社会を変えるか」第二部は、こうした十勝の団体の法人化の動きを追う。

<メモ>
1998年11月末に設立。千葉シゲル理事長。6団体10人が加盟(1日現在)。管内のボランティア団体の活動支援や、NPO法人化の育成し、活動に必要な場や情報の提供を行い、団体間のネットワーク化の推進を目指す。事務所の連絡先は(25)1455

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