市民活動の源流-12-

バーバリアンズ


地域スポーツ振興の受け皿に
クラブチームが法人申請

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スポーツ団体として道内初のNPO法人申請を行う
「北海道バーバリアンズ」

「地域でスポーツをやりたい人の受け皿をつくっていかなくてはならない時代が来ている。どんなレベルの人でも楽しめる環境つくりが、NPO法人になれば実現できるということを示したい」。道内最強のラグビークラブチームで、2月に道内スポーツ団体で初のNPO法人申請を行う北海道バーバリアンズの田尻稲雄マネジャーは説明する。

 Jリーグ・横浜フリューゲルスに象徴される、景気低迷による企業主体チームの解散・合併や、少子社会でチームがつくれない少年団や部活など、学校単位のチームの衰退が、田尻マネジャーの構想の背景にある。不特定多数に広く門戸を開放するNPO精神は、スポーツ分野でも注目される。

道内一の実績誇るクラブチーム

 北海道バーバリアンズは1975年に創立し、現在登録数119人。昨年末には、ラグビーの第6回全国クラブ選手権に出場するなど、道内一の実績を誇るクラブチーム。メンバーも19歳から50歳までが3チームに分かれてプレーを楽しむ。職種もさまざまなら、10年を迎えたニュージーランド(NZ)選手の1年間受け入れなど、国際交流も行う「特異な存在」だ。

 同クラブが法人化を考えたのは、田尻マネジャーがラグビー王国・NZで、本場のクラブの在り方を見たときからだ。−1クラブが、クラブハウスとグラウンドを2、3面所有。クラブ内には年齢層別のチームがある。地域の人と選手が飲食をともにする。どんなレベルの人でも一つのクラブで“ゆりかごから墓場まで”プレーを楽しめる−。

 それが地元・札幌に目を転じてみると、ラグビー部のない高校、大学、専門学校がある。就職しても会社にチームがなければ、腕に自信のある人以外は辞めざるを得ない。「法人として地域社会に認められれば、まずコルツ(18歳から22、23歳)やユース、ジュニア層へと競技人口の底辺拡大をしたい」(田尻マネジャー)という。

 「役所などから、バーバリアンズを強くするための法人申請ではないかといわれたりもするが、それは『鶏が先か卵が先か』の問題。強ければ人は集まり、底辺は拡大する。先べんを着ければ、他地域でも同様の動きが起きてくるはず」。日本でまだ認められていない、クラブチームのインターハイなどへの参加も「任意団体ではなく、社会的に認められた法人として、実現に向け強く求めていくことができる」と話す。

 法人格取得後は、行政からの公共施設の運営委託を最初の目標としている。「夜間開放することで、労働者を中心とした多くの人がスポーツをする時間を確保できるようになる。生活を豊かにするためにも、スポーツは必要ですから」と持論を展開する。

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田尻マネジャー(右)と西尾主将

道内各地への波及を期待

 バーバリアンズが目指す最終形は、ラグビーのためだけの快適な環境ではない。「私たちは札幌だが、道内各地域でさまざまなスポーツNPOが立ち上がることで、北海道を、どこにいてもだれでも、どんなスポーツでも気軽に楽しめる“スポーツ王国”にしたい」。西尾哲弥主将は、自身の夢も込めて述べる。

 「一人はみんなのために、みんなは一人のために」というラグビー精神を胸に、北海道バーバリアンズは、一人一人が、まず札幌という地域から、道内のスポーツ振興のために動き出す。
(年間キャンペーン取材班=植木康則) (99.1.15)

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<NPOの現況>
 十勝管内では昨年12月までに、NPO支援センターの設立や高齢者グループホームの開設を目指す「帯広NPO28サロン」が第1号で、NPO法の法人格の取得申請をした。北海道内では8団体、全国では109団体がこれまでに申請している。今後も増えていきそうだ。こうした動きに、管内では芽室町、音更町など、NPO法人の住民税を減免する考えの自治体も現れ始めている 

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