母親の重責

−2−

子供の人数に関係なし

「キラキラ星」は一人っ子中心のサークルだが、兄弟がいても参加はできる。佳美さん(31)は長男(3つ)、長女(1つ)とともにサークルに顔を出している。通い始めたのは昨年の6月。長女が小さかったので参加にはためらいもあったが、「子育てに追われる毎日。家にいるよりはいいと思い決めた」。悩みを相談する友人もできて、子供たちは遊び相手がたくさんいる。佳美さんには気の休まる時になった。

写真
子育ての不安が交錯しながらも母は常に子供と真正面から向き合う
佳美さんは最初の出産前、自分の両親が近くに住んでいることを心強く思っていた。ところが育てるにつれ、母親としての責任がのしかかり「子育ての不安は近くに両親がいる、いないに関係ない」ことに気づく。

交代勤務で帰宅時間が一定でない夫もなかなか手助けできないこともあって、佳美さんの負担感は次第に増していき「子供が具合悪くなったり、泣いたりするたびに神経をすり減らした」。

それでも長男が1歳を過ぎたころから「女の子が欲しい」と望み、長女を出産した。「子供は2人で十分と自分も夫も考えている。それ以上だと経済的、体力的に許容範囲を超えてしまう」

忙しさは変わらず

一人っ子たちの中にいると、子育てに慣れているように思われるが、「子供は小さければうるさいし、大きくなれば口答えするしで忙しさはずっと変わらない」と感じる。一人目は初めて子育てに臨む「新米の母」としての不安、2人目になると求められることが2倍になった忙しさ−というのが実感らしい。「これからもずっと忙しいかも」。佳美さんはそういって子供たちを見詰めた。

長男(2つ)をひざに抱いた同じ会員の洋子さん(28)は「長男が100日を過ぎたあたりから子育てに慣れてきた」と話す。同時に、夫に対し「(子育てを)自分(妻)任せにしている」と感じることが多くなったという。決して夫に対する反感ではなく、「男性は赤ちゃんの扱い方が分からないので妻(女性)に任せようとする。子供がどうして泣いているのか分からず、子供が怖い存在だと思っているようだ」と男性が子育てに消極的になる理由をこう分析している。

「おふろに入れるのを手伝ってほしいと思ったけど、残業の多い仕事だから仕方ない、と半分あきらめていた」。夫は休日でも家で仕事をすることが多く、子育ての共有は望めないと自分に言い聞かせていた。2人の両親が帯広市内に住んでいることもあり「何かあれば助けてくれる」という意識もそうさせた。だが夜泣きに悩まされてストレスは重なっていく。

「少子化」の言葉に反発

同サークルに参加したのは昨春。友人と情報交換し合うことで「ストレス解消になる」ことを感じた。子供の遊び相手もいて、母子ともに楽しみができた。一時は3つのサークルを掛け持ちしたほどだ。

10月には2人目を出産する。「1人でこんなに苦労しているのに、2人目、ましてや3人目ともなるともっと大変なんでしょうね。夫も長男が歩けるようになってから一緒に遊ぶようになった」。サバサバした表情でそう語った。

サークルに参加している母親は一様に「少子化」といわれることに反発を感じている。なぜなら子が多い、少ないにかかわらず母親の子育ての重責に変わりはないからだ。(文中仮名)(年間キャンペーン取材班)


年間キャンペーン『少子化時代を考える』  WEB TOKACHIトップへ