一人っ子サークル

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悩み共有、不安ぬぐう〜昔とは違う子育ての環境

十勝管内も少子社会の到来に伴い、家族や地域にさまざまな動きが出てきている。同時に、子供たちの世界も昔とは様変わりしてきている。母親たちや地域の子育ての取り組みに焦点をあてながら親、そして子供たちの今の姿を探っていく。(年間キャンペーン取材班)

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サークル活動に参加し、ほかの子供と触れ合うことで母子のストレスは少しずつ解消されていくよう
ストレス解消の場

帯広市内西地区のコミュニティセンターに月に一度、幼い子を連れた母親たちが集まってくる。一人っ子を中心に結成したサークル「キラキラ星」の母子たちだ。兄弟のいない一人っ子にとってはこのサークルにきて友達と触れ合うことが楽しみでもある。また母親にとってもさまざまな情報交換、交流、ストレス解消の場としてこのサークルの意義は大きい。

サークル代表者の浩子さん(32)は長男(3つ)の将来にやや不安を感じている。浩子さん自身も一人っ子で親せきにも子供がいないことが「将来のことを考えると子供が独りぼっちになってしまうのではないか」と心配なのだ。

複雑な心情が絡む

結婚4年目でようやく授かった子。子育ては平穏そのものだが、「子供をいつまでも家に置いておくわけにもいかず、かといって早くから外に出しても人に預けるのも心配で」と複雑な心情が浩子さんの脳裏にいつも去来している。

この不安をぬぐうためにも子育てのサークル活動に積極的に参加するようになった。「サークルでは親から離れず最初の半年間泣きっぱなしだったけど、そのうち友達と一緒に遊べるようになったんです」。我慢のかいあって、通い続けた浩子さんは少しほっとした。

昨年4月に帯広市内の新興住宅地域の若い母親が自然に集まってできた同サークル。浩子さんは結成当初から参加し、今年4月から代表者になった。月例会を運営しながら「一人っ子を抱える母親は同じような悩みを持っている。少しでもサークルの輪が広がれば」と浩子さんは思っている。

子供同士の遊びがない

正子さん(38)は傍らで遊ぶ長男(1つ)に目をやりながら、「近所に同じような年齢の子がいないために子供同士の遊びがない。集団生活になじませるためにもこのサークルに参加した」と語った。

正子さんの家族は夫とその両親、そして長男の三世代同居。「大人の中に子供が一人いると甘やかされる部分がある」ことが気になる。だから長男のことを思えば「もう一人子供が欲しいところでもある」。ただ、夫は子育てに時間をとられることを嫌い反対する。正子さん自身も自分の趣味の時間が欲しいこともあって夫の意見にやや同調し始めている。

同居の祖父母は定年退職後も元気に外出し、趣味を広げている。同居なら子育ての協力を期待するところだが、多忙なために“協力要請”はやや控えめになる。一方、夫は夕方6時半ごろには帰宅するが、子供にせかされないと遊ぼうとしない。午後11時ごろまで寝ない長男。正子さんにとっては「趣味の時間もない」と小さな不満が重なっていく。

でもこうしたストレスもサークルや子供クラブに来れば少しずつ和らぐ。そんな中で「子供がいっぱいいた時代とは生活環境がすっかり変わっている。子の数が多い少ないで昔と比較されても子育ての条件が違う」と正子さんは日ごろから強く感じている。(文中仮名)


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