管内の女子高生意識「子供嫌い」の傾向

「21世紀十勝福祉塾」のアンケート

【社会部=鈴木斉】少子化問題の意識調査に取り組んだ「21世紀十勝福祉塾」(橋本充久仁代表)の管内の高校生に対するアンケート分析で、男女とも「子供は欲しい」との回答が多いものの、欲しくない−とする理由では「子供が嫌いだから」という回答が最も多いことが分かった。特に女子生徒では4割強と圧倒的な数にのぼり、帯広大谷短大講師(児童・家庭福祉)の大竹智氏は「大人になりたくない、与えるより与えられたい−という意識の表れでは」としている。

福祉塾は地域福祉のリーダー育成を狙い、道が今年度初めて試みたもので、十勝支庁主催の十勝福祉塾は少子化問題にスポットを当て、2月中旬までにアンケート調査を分析し、報告書をまとめた。

管内高校生に対するアンケートは、一般向けと同様の設問で行われ、男子生徒404人、女子生徒530人から回答を得た。

この結果、将来子供が欲しいか−との問いでは、男子76.2%、女子87%が欲しいと答えた。これに対し、欲しくない−とした生徒の理由では男女とも「子供が嫌いだから」が最も多く、男子は27.1%、女子は実に43.5%に達した。次いで「理由はない」「育児の心理的・肉体的負担に耐えられない」「子供を育てるのにお金がかかる」などの順になっているが、女子では「子供が嫌い」という回答が突出している。

少子化時代を迎え、子供の数が減少することの影響については、「深刻な問題」と受け止めているのが64.3%で、「あまり心配する必要はない」が29.9%、「望ましい」も2.9%を占めた。

具体的な影響では「社会保障の負担が重くなる」が男女とも最も多く、経済活動の停滞や社会全体の活力低下などを懸念する回答も多かったが、「就職難が緩和される」「受験競争が緩和される」「人口が減って住みやすい社会になる」など、肯定的にとらえる声も少なくなかった。

この調査結果について、福祉塾は報告書で「子供が欲しくない理由として、子供が嫌いとする回答割合が高いことは気になる」と指摘。少子化の影響などでは「自分自身が受験、就職の真っただ中にいるためか、少子化を好意的にとらえる層が多かった。現在の社会の閉塞(へいそく)感に対する高校生の率直な気持ちが表れている」としている。

自分自身満たされず

与えるより与えられたい

【政経部=道下恵次】少子化の意識調査の中で、高校生の「子供が嫌い」との回答が高い割合を示したことについて、児童・家庭福祉を研究している帯広大谷短大講師の大竹智氏は「自分自身が満たされておらず、与えるよりまだ与えられたいという意識の反動で『子供が嫌い』となるのではないか」と分析している。

調査結果について、大竹氏は「子供が嫌いという回答が高いのは非常に注目すべきことで、さまざまな背景が考えられる」とした上で、「あくまでも想像でしかないが、適正な子育てをされてこなかったり、愛情が満たされず育ったことなどが要因で満足感が十分ではないとみることができる」と分析。

このため「親に代わるものをまだ求めている部分があり、与えられる側のままでいたいのではないか。それで自分が親になって与える側になることを拒否する意識がある。大人になりたくない、親になりたくないとの意識の反動が子供が嫌いという表現に収まるのではないか」と話している。

また「子供はわがままで思いどおりにならない存在。例えば結婚しても互いの愛情を子供にとられることを恐れるあまり、『子供は欲しくない』という意識につながるのかもしれない」と指摘している。


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