十勝は今〜低出生率の背景

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年少人口確実に減少〜10年後境に逆転、高齢者を下回る

年間キャンペーン第一部では、少子化に揺れる全国の現状を報告した。保育所の統合、小学校の空き教室、関連産業の衰退…。深刻な問題だと頭では分かっているが、何だか身近に感じられない、そんな人も多いはずだ。だが、私たちの暮らす十勝にも、少子化の波は緩やかに、しかし確実に忍び寄ってきている。

十勝管内・帯広市の出生数の推移
グラフ
このことを端的に示す衝撃的な数字がある。財団法人統計情報研究開発センター(東京)が1990年、95年の国勢調査の数字を基に推計した、全国の市町村別の将来推計人口だ。

帯広市を例に見てみよう(図参照)。95年の総人口17万1,682人のうち、ゼロ−14歳の年少人口は2万9,845人、65歳以上の老年人口が2万741人。この段階では子供の数が老年人口を9,000人近く上回っている。

ところが、これからわずか10年後の2005年を境に、この数字は逆転する。2005年では年少が2万5,720人に対し、老年が3万1,152人。さらに、2025年には年少2万379人に対し、老年が4万5,286人と2倍以上に達する。超高齢化社会の到来は確実に、そして急速に訪れることが分かる。

帯広市の将来推計人口と構成比
グラフ2

全国的に見ても、日本全体の総人口は今からわずか10年後の2007年を境に減少に転じ、超高齢化社会が訪れると予測されている。出生数の推移を見ても、終戦直後の1947年(第1次ベビーブーム)には、出生数が約270万人と最高で、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む平均的な子供の数)は4.54。この後、出生率は70年代前半の第2次ベビーブームの約200万人(2.14)を頂点に低下の一途をたどる。現在、人口の現状維持に必要な合計特殊出生率は2.08とされているが、95年には1.42と過去最低を更新し、国全体に危機感を与えた。ちなみに、先進諸国での数字はアメリカ2.05、スウェーデン1.88、フランス1.65などで、日本はこれに続いている。

もちろん、ここ十勝でも少子化に対して、全く無関心というわけではない。十勝支庁が今年度開設した「21世紀十勝福祉塾」によるアンケート(管内約4,000人対象)の結果を見ても、全体の71.1%が「深刻な問題だ」と答え、大半が危機感をあらわにしている。しかし、その一方で「望ましいことだ」とした人も少数ではあるが1.5%と全国平均の約2倍に上り、道民意識調査においても十勝では独身者が子供を「欲しくない」と答えた割合が道内他地域に比べて2倍であったなど、十勝ならではの傾向も表れている。

また、少子化の原因についての問いでは、「子育てや教育にお金がかかり過ぎる」(67%)を筆頭に、「結婚年齢が高くなったり、結婚しない人が増えている」(56.2%)、「働く女性の出産や子育てを助ける制度、施設が不十分」(51.7%)などの答えがあった。教育費の負担や女性の社会進出に伴う晩婚化、ライフスタイルの変化など、十勝でも全国と変わらない実態があることがここから浮かび上がってきた。

年間キャンペーン第2部では、さまざまな要因が絡み合うこの少子化の背景について、十勝ならではの実情も含めながら探る。(年間キャンペーン取材班=小関伸子)


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