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11月14日(土)

拓銀が元頭取ら11人提訴

108億円の賠償求める

巨額ずさん融資で損害

経営破たんした北海道拓殖銀行(本店札幌市、鷲田秀光頭取代行)は十三日、札幌市内の建設不動産会社などへの巨額のずさん融資によって同行が損害を受けたとして、融資にかかわった鈴木茂(81)、山内宏(71)、河谷禎昌(63)元頭取の三人を含む旧役員十一人を相手取り、総額百八億円の損害賠償を求める訴えを札幌地裁に起こした。
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ずさんな融資にかかわった旧役員の経営責任を問う民事訴訟の提起で、札幌地裁に入る拓銀弁護団(13日午後1時40分ごろ)
役員の責任追及のため同行が設置した与信調査委員会が十月、元役員らを訴えるよう同行に提言していた。

訴えの対象となったのは、建設不動産会社「カブトデコム」(札幌市)や拓銀関連ノンバンク「エスコリース」(同)、帯広市内の内装・看板工事業「ミヤシタ」など五企業に絡む融資。総額千四百三十億円のうち千百十五億円が回収不能になっている。訴状によると、旧役員らは一九八七年十二月から九三年三月にかけて、回収見込みがないにもかかわらずこれらの融資を実行、取締役としての注意義務に違反したとしている。

弁護士で構成する与信調査委員会(委員長・土屋公献元日弁連会長)は、同行が過去十年間に行った融資実態を調査し、十月にまとめた報告書で、十数件の融資案件について損害賠償請求訴訟を起こすのが適当と提言。特に、カブトデコムと関連グループへの融資は「経営破たんに至る最大の要因」と指摘していた。


同委員会は民事訴訟とは別に、札幌市郊外のリゾートホテルに対する融資に不正があったとして、元頭取二人を商法違反(特別背任)の疑いで、北海道警などに告発。道警は札幌地検と合同で捜査している。

提訴案件
市内会社への融資も
14億円が回収不能

【札幌】拓銀が旧役員十一人を相手取り、総額百八億円の損害賠償を求めて十三日、札幌地裁に訴えた民事訴訟の中に、帯広市内の内装・看板工事業「ミヤシタ」に対する融資も含まれている。同社の小豆、乾繭(かんけん、生糸の材料)相場の投機資金として、総額三十三億五千万円を融資、このうち約十四億四千万円が回収不能になったとし、延べ七人の旧役員に合わせて八億円の賠償を求めている。この融資は旧役員との「特別な関係に基づいたもの」とされ、投機目的に資金を出した銀行の公共性、健全性が問われることになった。

訴状によると、拓銀は一九七一年から同社と取引を開始したが、消極方針で対応し、八八年の運転資金限度額は九億円だったにもかかわらず、役員らは八九年一月、ミヤシタから小豆相場の投機資金の申し込みを受け、五億円を融資。さらに、同社からの追加融資の要請に対し、同年二月の一カ月間で計二十二億五千万円を融資した。

また、同社が小豆の相場の損失を取り戻すため、九〇年十月、乾繭相場の投機資金の融資を申し入れてきたのに対し、旧役員らは九二年二月に二億五千万円、同三月に三億五千万円を融資したほか、たくぎんファイナンスから融資させ、九一年には、その残額二十四億一千五百万円を拓銀が肩代わり返済した。

しかし、同社が事実上破たん状態となり、小豆相場の融資約八億四千万円、乾繭相場の融資約六億円が回収不能とされている。

原告の拓銀は、投機目的への資金融資自体が銀行の公共性、健全性に反する上、佐藤安彦元副頭取がミヤシタの代表者と「特別な関係」にあったことや、通常の融資手続きとは異なる即日融資や担保不十分な融資があったことも指摘し、旧役員のずさんな融資が損害を与えた、としている。(関連記事)



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