| 3月26日(水) | 年間キャンペーン第2部 5万分の1の地球、十勝 |
「自治体焼却炉」 鹿追で基準値超える数値検出 ダイオキシンの恐怖は、道内各地でも問題になり始めている。私たちの健康、そして生命そのものと直接かかわる食糧基地である十勝の状況はどうなのか。また、どんな対応策が取られているのか。私たちの身近なところにある産業廃棄物や家庭ごみの一般廃棄物焼却施設の現状と課題、十勝にも大きな警鐘となっている稚内での廃棄物処理施設の問題点などを探った。
家庭から出るごみを中心とした一般廃棄物は、自治体が収集・処分しており、管内の焼却処理施設は10施設。1995年度1年間の10施設合計のごみ焼却量は、94,015トンに上る。 昨年11月から今年1月にかけて、厚生省の指導に基づき焼却時の排出ガスのダイオキシンの検査が行われた。このうち、管内で基準を超えたのは鹿追だけだった。 同町では、管内で初めて4月1日から「ポイ捨て防止条例」を施行するなど、環境美化に努めているだけに、ダイオキシン検査の結果は関係者に大きなショックを与えた。「検査中に混入したガスボンベの爆発があり、温度が上がらなくなったことなどが影響したかもしれない」(町民課)という要素もあり、新年度に再度検査を行う方針。簡易型の焼却炉だが、二次燃焼させるなどのダイオキシン対策を取ってきた。同様の施設で鹿追町より古い焼却炉を使用している町が、基準値を下回っているだけに、担当者は驚きを隠さない。
「焼却の際に温度管理を徹底するなどの対策に努める。しかし、現在の焼却炉ではダイオキシンの抑制にも限界があり、広域的な処理に移行できないか、協議していきたい」と文屋助役。また、同町で実施していないごみの分別収集についても、「早急に検討したい」と語る。 一方で新たに建設されている焼却施設ではダイオキシン対策が進む。4月上旬から供用開始予定の北十勝環境衛生処理組合の清掃工場(上士幌)は「排ガス中のばいじんを除去するため中和反応後の物質を集めるバグフィルターを道内町村の施設では初めて設置している。燃えやすいごみと燃えにくいごみをかき交ぜることで、安定した燃焼ができるようにしている」(寺田敦史場長)という。供用開始は4月上旬からだが、試運転時の検査でダイオキシン濃度が1立方メートル当たり0.59ナノグラムと、町村の施設では最も少ない数値を記録した。 昨年10月から本稼働を開始したくりりんセンター、8月完成、10月から受け入れ開始を予定している新得町のごみ焼却場もバグフィルターを設置。このほかの町でも、ごみのかくはんや燃焼温度の管理などには気を配っている。ただ、対策に有効とされる連続運転はくりりん以外の施設では、ごみの量が少ないこともあって、行っていない。 しかし、厚生省の緊急対策は80ナノグラム以下だが、恒久対策では新設炉で0.1ナノグラム以下、既設炉の間欠運転でも5ナノグラム以下となり、この基準をクリアできる施設は少ない。また、同省は市町村の連携によるごみの広域処理を指導しているが、自治体間の協議が進まないケースもある。十勝の一般廃棄物焼却施設のダイオキシン対策は、始まったばかりでもあり、今後の課題は少なくない。(年間キャンペーン取材班=末次一郎)
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