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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
[2008.10.17] >>> 目次ページに戻る
慢性的な疲労を抱え、仕事への影響を感じながらも働き続ける労働者は少なくない(写真と本文は関係ありません)
過重労働



泣き寝入り…改善へ組合活動励む


 「月の所得の3分の1が残業代。家には寝に帰るだけで、疲れが抜け切らない。血圧も高いし、いつぽっくり逝くか…」

 帯広市内の土木・運送会社に勤める須田正博さん(57)=仮名=は疲れ切った表情で打ち明ける。会社が決めた年間労働時間は、変形労働時間の法定枠いっぱいの2085時間。しかし、中には3000時間を超える人もいて、職場は慢性的な過重労働状態に陥っているという。

 厚生労働省の統計によると、労働者の年間平均労働時間(2006年度)は1842時間。過去に労働時間短縮の目標として掲げた1800時間に近づいている。ただ、この数字は労働時間が短い非正規雇用などの割合が増加した結果で、「正社員等」は2024時間と依然改善されていない。

作業中にけが突然の解雇通告
 須田さんの場合、肉体的な疲労に加え、精神的なストレスが追い打ちをかける。06年に作業中の事故で手首と太ももを骨折。ところが07年4月、明確な言葉こそなかったものの、1人分の働きができないといった理由で会社側から突然の解雇を言い渡された。

 不当解雇だと、労働者団体に相談を持ち掛けて労働組合を結成。解雇は撤回できたが、職場復帰後、本来はトラック運転手でありながら「辞めろと言わんばかりに病み上がりの体には無理な作業を強いられた」という。

 勤めていた会社が倒産したため、数年前に今の会社に移った。入社時は年間雇用と言われたが、仕事のない時期には失業手続きを取らされ、失業保険でつなぐことが2度もあった。景気低迷のあおりをもろに受ける業界で、まして60歳を目前にした身では転職先もない。年収は以前の会社より100万円減った。

 厚労省の統計では、07年度に脳・心臓疾患と精神障害などで労災補償を請求した労働者のうち、40、50代の割合は63%に上る。生活習慣や肉体的な衰えが原因のケースも含まれるが、若年層より転職の機会が狭まり、家族の生活や住宅ローンなどを背負う中年世代の数字は突出している。

立場弱い労働者声上げられず
 「声を上げたくても社長ににらまれたら生活できなくなると、泣き寝入りする仲間も多い」と須田さん。年金生活にさえ不安がある今の世の中、生活を考えれば、体力的につらくても仕事を続けざるを得ない。

 経営を優先して押しつけられる過重な労働への疲れと不満が募る中、同僚を含む職場の待遇改善に向けて組合活動を推し進めるとともに、作業事故の会社側の管理責任を問う民事訴訟の準備に力を振り絞っている。
(高田敦史)
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