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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
[2008.07.05] >>> 目次ページに戻る
帯広市内の共同作業所で働く知的障害者。一般就労の希望者も多いが、厳しい現実がある(折原徹也撮影)
障害者の就労 



同僚、先入観で「仕事できない」…
意欲と自信ある

周りの人たち理解深めること必要

 「仕事への意欲と自信はある。でも、先入観で『できない』と思われ、差別されるのがつらい」

人間関係上手くいかず転職も
 知的障害を抱える十勝管内の30代女性Aさんは訴える。何事にも前向きで現在はクリーニング店に勤務するが、これまで3回の転職を経験。主な理由は人間関係だ。

 経営者が障害に理解があっても、職場全体に浸透するのは容易ではない。商品の数え間違いでほかの人よりもきつく従業員に注意され、集団で中傷されることもあった。「何度も言われるとパニックになる」。仕事内容に不満はなくても、転職を余儀なくされた。

 「どう接すればいいのか周囲が分からず、就労の大きな壁になっているのでは」。知的障害者とその家族でつくるNPO法人「帯広市手をつなぐ育成会」の畑中三岐子会長(59)は語る。能力はあってもあいさつや返事などの対人関係に問題があり、誤解されやすいという。予定が変更されると戸惑うこともあるが、「見通しが立てば集中し、正確に作業できる障害者は多い」と説明する。

 同会が市内で運営する2カ所の共同作業所では、10−60代の障害者36人が木工や縫製作業に汗を流す。一般企業への就労希望はあっても、現実は厳しい。帯広公共職業安定所によると、管内民間企業の障害者雇用率は1.64%(2007年6月現在)。法定雇用率の1.8%を下回る。

働く喜び知り情熱失わず
畑中会長
 そんな環境の中でも、充実した日々を過ごす知的障害者は多い。高校卒業と同時に食品製造に携わる管内在住の会社員男性Bさん(28)は「納得するまで聞く」頑固な面はあるが、障害を理由に職場で嫌な思いをしたことはない。「給料をもらい、友達との買い物が楽しみ」と笑顔を見せる。

 「責任は重大だが、頼りにされてうれしかった」。過去に従事した野菜袋詰め作業で障害者仲間のリーダーを務めたAさんは、誇らしげに語る。働く喜びを知るだけに、大きなショックを受けても仕事への情熱は失わない。

 畑中会長は願う。「障害を1つの個性ととらえ、自然に接してもらえればうれしい。円滑に仕事を続けるため、少しでも理解者が増えてほしい」
(第3部おわり、池谷智仁)
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