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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
[2008.06.28] >>> 目次ページに戻る
若者の姿も目立つハローワーク帯広
就 職



病気で休学、大学卒業遅れる…
返される履歴書

社会や企業“回り道”許す余裕なく

 「就職して会社で働く同級生を見ると、焦る気持ちもある。でも、慌てても仕方がないですからね」。今春、大学を卒業した帯広市在住の佐藤一郎さん(27)=仮名=は、自分を励ますように話す。

 IT(情報技術)関連企業の事務に就くのが夢だ。これまで約10社を受験したが、ほとんどは門前払い。丹念に書いた履歴書は、そのまま送り返されてくるばかり。

 市内の進学校から本州の理系大学に進学。在学中に病気を患い休学・復学を繰り返し、卒業が遅れた。

年齢上がれば学歴より経験
 社会人としての経験はない。就職市場では年齢が上がるにつれ優遇されるのは経験者。有利な条件でないことは自覚している。「学歴は重視されないですから。目標は正社員ですが、まずはつなぎでも短期でも仕事をしたい」。だが、地元には望む求人は数えるほどしかない。

 ハローワーク帯広(帯広公共職業安定所)によると、十勝地方のここ5年の有効求人倍率は、おおむね0.5倍前後で推移。全国のほぼ2分の1だ。求職者年齢で割り返すと、25−34歳はさらに悪化する。この年齢層の今年4月の有効求人倍率は0.37倍。佐藤さんが望む事務職は0.13倍にまで落ち込んでいる。

 青年層の就職支援機関「北海道若年者就職支援センター(ジョブカフェ北海道)」の坪田恵キャリアアドバイザーは「社会にも企業にも、若い時代の回り道を許容できる余裕がなくなってきている」と指摘。就職活動のストレスから心に変調を来す相談者も増えてきたという。「仕事が決まらない人は、自分が社会から必要とされていないのでは、という疎外感を感じてしまうことがある」と坪田さんは解説する。

佐藤さんが愛読する自己啓発書
最初の挑戦も成就困難な若者
 「就職するということは、夢を持ち続けた人生を過ごすこと」と佐藤さん。毎日、自己啓発書と就職セミナーのチラシをリュックサックに詰め、ハローワークやジョブカフェに通う。「サラリーマンになった時、出勤に困らないように」と早起きを日課にしている。1年以内に内定を取り、正社員になるのが目標だ。

 「再チャレンジ」は時代のキーワードの1つ。しかし、1度目のチャレンジさえ成就困難な若者が存在するのが現実だ。「安定した生活を送りたい」。誰もが抱く当たり前の願望が、手の届きにくい夢に変質し始めている。
(長田純一)
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