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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
[2008.06.23] >>> 目次ページに戻る
飯山尚子さん
脱レール世代(上)



大学卒業して働くのが当たり前…何か違う

アフリカにあった「やりたい」こと

 「働くのが当たり前というレールに乗りたくなかったのかな」。帯広畜産大卒の飯山尚子さん(28)=網走管内美幌町在住=は、照れ笑いしながら就職活動を振り返る。一度も就職せず、夢を追いかけ、アフリカ東部のタンザニアでストリートチルドレンを支援するボランティア活動を続けている。

 千葉県に生まれ、親の転勤で大阪、東京と大都市を転々とした。帯畜大に進学したのは動物好きと自然へのあこがれから。大学では山岳部に入った。「都会から出たくて北海道、海外へ行ったのかも」と考える。

貧しいけれど人の温かみ実感
 タンザニアを初めて訪れたのは2000年、大学2年の夏だった。アフリカを旅した姉の話に影響されて1カ月間の1人旅。底なしに明るい人々、生きるために必死にだまそうとする泥棒。「貧しいけれど人間味があって、生きている実感があった」。強烈なカルチャーショックを受けて帰国した。

 大学3年になると同級生らとともにリクルートスーツを着て企業説明会に通った。道農業改良普及員の資格を取り、採用試験を受けるなどしてタンザニアにつながる仕事を探した。しかし、OLとして働くイメージは最後までわかなかった。「また行きたい」。就職の現実に流される中、思いは強くなっていった。

青年海外協力隊タンザニアへ
 02年に国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊の試験を受けた。「やりたいことをやりなさい」という両親に後押しされた。「村落開発普及員」として東アフリカへの派遣を希望し、03年12月、2年間のタンザニア派遣に出発した。JICA帯広によると、02年12月から08年6月までに十勝管内で青年海外協力隊員(対象20−39歳)になったのは25人。このうち20代が17人と約7割を占める。

 1993年から2004年は「就職氷河期」といわれる。だが、生計を立てるためだけには働きたくない−。多様化する価値観の中で、社会とのかかわりを模索しながら自己実現の場を探す「脱レール世代」。飯山さんもそんな1人だ。
(安福晋一郎)

(題字は長沼透石氏)

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