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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
[2008.04.13] >>> 目次ページに戻る
子が親の職場を訪ねる子ども参観日の様子
7. 企業の子育て支援



仕事と家庭の両立…
会社が支えなければ

 「雇用した人数分ほどの若い職人が毎年、辞めた。生活に安心や安定を与えられる環境づくりが必要だった」。島根県松江市にある長岡塗装店(長岡芳博社長、社員27人)の古志野純子常務(46)は、子育て支援に取り組みだした理由を「若い職人の確保」と説明する。

 職人として仕事を覚えるのに早くて3年、高卒者が一級技能士の受験資格を得るには7年かかる。時間をかけて育てても辞め、一から育て直すという悪循環が1990年代に続いた。

助成など制度化
 転機は結婚間もない1人の若者の採用。妻は妊娠中で実家は松江市外。運転免許もない。健診には夫の協力が不可欠だった。「会社が支えなければ仕事と家庭の両立はできない」(古志野常務)と2002年、子育て支援の充実に乗り出す。

古志野常務
 30分単位で取得可能な看護休暇や保育料3分の1助成などを制度化。従業員間に不公平感が生じたり、制度利用者が引け目を感じたりしないよう、介護支援など子育て世代以外にも配慮した。

 05年からは次世代法に基づく「一般事業主行動計画」を策定。妊婦向けの休憩室整備や育児短時間勤務制度の導入などで、07年3月には初めて男性社員が育児休暇を取得。5月には県内初となる同法の認定企業に。

 道労働局によると、3月末現在、道内の認定企業は6社で、すべて従業員301人以上。十勝管内は六花亭製菓(帯広)だけ。

 「大企業と違い社員や資本力はないが、若者が安心して働ける環境を整えたかった」と古志野常務。慣れない役所通いも重ね、時間の許す限り社員とのコミュニケーションを図って実態に即した制度作りに努めた。

幸せな時間を
 02年以降、退職者は傷病と家庭の事情の2人だけに。若者が定着した上、有資格者も増え、会社と社員の信頼関係が深まって職場が活性化するなど、波及効果も生まれたという。

 古志野常務は「仕事と家庭が両立できる環境整備は経営者の務め。具体的に行動して見えてくるものは多い」と話し、「子育てはとても大切。幸せな時間を感じてほしいし、それが仕事への意欲にもつながる」と制度拡充に意欲を燃やす。
(高田敦史、第2部おわり)

(題字は長沼透石氏)
 次世代法 子どもが健やかに生まれ、育成される環境を整える「次世代育成支援対策」推進に向け、301人以上の労働者がいる事業主に行動計画の策定、国への届け出を義務付けた。計画達成や女性の育休取得7割以上などの基準を満たすと「認定企業」として商品や広告などに認定マークを表示できる。

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