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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
[2008.04.12] >>> 目次ページに戻る
里子の女の子と抱き合う美津子さん。“親子”のつながりを実感する
6. 里 親



子供の成長する姿に触れ、
生きる力に

 家でお絵かきを楽しむ少女と、優しく見守る夫婦。多くの家庭でごく普通に見られる光景だ。たとえ、里親と里子という関係であっても。「特別なことはしていません。ただ、子供が育つ過程でスキンシップは大切」。夫の鷲北博一さん(69)=帯広市在住=と3人の里子を育てる美津子さん(65)は強調する。

生後5日から
 わが子2人の独立を機に里親登録したのは14年前。これまでに里子7人を預かり、現在は中学3年と小学3年、同1年を養育する。みな、親の体調不良や養育拒否などで生後5日から6カ月で鷲北家の一員となった。

女の子が描いた絵。家族の笑顔が広がる
 帯広児童相談所によると、虐待などの理由で養育が難しく、児童養護施設や里親に預けられた子供は十勝管内で132人(2007年3月末時点)。父親が分からず、望まれずに誕生した子供もいるという。「虐待の通告は全国的に増えている。残念だが、今後もこの流れは続くだろう」。担当者はため息をつく。

 「実母から虐待を受けた影響からか限界を超えても食べ続ける多動性を見せたり、愛情不足で言語発達が遅れたりする里子がいる」。管内のある里親は証言する。里親が里子との養子縁組を持ちかけると、「金を払え」と要求する親もいた。

 「子供を産む自覚と責任が親には必要」。博一さんは憤る。公共の場で走り回る子を注意しない親を目にし、「昔より過保護なのに肝心な部分は無関心で放任」と嘆く。

 美津子さんは若い親が育児に悩む姿を見て、煩わしさばかりに目を向けているのではと危惧(きぐ)する。行き詰まったはけ口が虐待となり、新たな里子を生み出す可能性があるからだ。「子育てで悩むのは当たり前。つらいことはたくさんある。でも、子供が成長する姿に触れることが生きる力になる」と力を込める。

子供に責任ない
 血のつながりこそないが、強いきずなと愛情で結ばれる里親と里子。「面倒なことも、かわいらしさも同じ」と、鷲北夫妻は実子と里子の違いはないと言い切る。

 十勝地区里親会の根本寿一会長(71)=芽室町在住=は願う。「子供に責任はない。あるがままを受け入れ、普通に育ち、社会に役立つ人間になってほしい」
(池谷智仁)

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