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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
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[2007.12.15]
売り込め!食材
「最高の素材」 ブランドイメージ確立を
東京の高級スーパー並ぶ「十勝産」食品
 足寄産タマネギ、更別産ジャガイモ、音更産大袖振を使用した納豆…。

 12月初旬に訪れた、高級食材を扱う東京都内のスーパー店頭には、「十勝産」と地域名で表示された食品が、都道府県産地名の中で堂々肩を並べていた。ちょうど昼どき、主婦らが手に取って確かめながら、次々とかごに入れていった。

 十勝産品の優位性は、産地名から連想される広大で実り豊かな大地にある。

 「大前提の高品質に加え、希少価値や他産地に負けないイメージがあるから仕入れる」。都内や神奈川県など大都市を中心に店舗展開する「成城石井」(本社横浜市)の大石將博商品部青果課長は話す。同社は最近、新品種のジャガイモやナガイモ、ゴボウなど「十勝産」の仕入れを増やした。

十勝産食材が並ぶ首都圏のスーパー。十勝には高付加価値を付けた「長いも酢」(左上)や「ブリーチーズ」(右上)、水揚げ量が全国有数のシシャモ(右下)などブランド化の可能性を秘めた食材も多く、「十勝産」を大消費地に売り込む要素が豊富にある
 ただ、都市圏のスーパーに並ぶ食材の産地表示は「北海道産」が多い。十勝の農畜産物でも「北海道」。あるバイヤーは「消費者の中で十勝の名が北海道を超えていないと見ているバイヤーが多いから」という。

 道内地域間の知名度でも足踏みするものも。「鵡川」ブランドで有名なシシャモは、十勝沿岸(3漁協合計)が国内2位の水揚げ量。ツブ貝も日高、釧路に次ぐ3位。だが「全道有数の漁獲量がありながら、知られていない」(十勝支庁水産課)。漁協や行政による地元でのシシャモの即売会、北の屋台と連動したフェアなど、地元からの認知度アップに努める。

大消費地では産地目印にリピーター

 首都圏でまだ一部にしか浸透していない「十勝産」の品々。大石課長は「地名の響き、ロケーションイメージの良さの点で十勝はブランド性がある」と語り、応援の意味でこうアドバイスする。「ターゲットを定めて、パッケージに『十勝産』と入れて出荷していくといい。首都圏の消費者は、おいしければ産地を目印にリピーターになる」

 帯広商工会議所の高橋勝坦会頭は「ここには農産物、水産物ともに最高の素材がある。十勝みんなで一緒になって、ターゲットの選定など確たる戦略を持って大消費地に売り込んでいくべきだ」と、十勝の産学官金、一次産業などとの連携強化による真のブランド確立で、十勝が豊かになれると呼び掛ける。

機能性食品開発世界のメッカに
 「素材を生かしたブランド化と合わせて、食材を地場で加工する高付加価値化が不可欠」。都市エリア産学官連携促進事業の佐山晃司・科学技術コーディネーター=写真=は市場に売り込むための“武器”を磨く重要性を説く。

 今まで川西産ナガイモを利用した「長いも酢」などを商品化に結びつけてきた。中でも「ポテトペプチド」は、体調管理に役立つペットフードや疲労回復のスポーツドリンクを開発するなど応用が利く可能性がある。

 佐山さんは「健康機能性という武器を学術的に根拠付ければ、市場への売り込みを一層促せる」と安全・健康志向の強い層への“援護射撃”に自信を見せる。道立の試験場や帯広畜産大など研究機関、地元の食品加工企業を結びつけ、機能性食品を開発する世界のメッカに−。関係者の間ではこんな夢も語られる。

 ブランドのイメージ戦略と、それを補完する科学的な裏付け。十勝で回り始めた2つの歯車をうまく連携させ、良い食材をより高く、効果的に売り込む−。将来、毎日の食卓に十勝の食材が並ぶ日がくるのを信じて。
(安福晋一郎)

※高橋勝坦会頭の高の字は異体字です。

ポテトペプチド
ジャガイモのでんぷんかすに含まれ、善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす効果がある。

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