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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
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[2007.12.14]
イベント万歳!
「催し連携」ひと味違った“新プラン”を
 200X年、ある旅行商品が人気に。世界で唯一となった「ばんえい十勝」の迫力を競馬場で味わい、十勝川の彩凜詩(さいりんか)で幻想的空間に誘われ、美人の湯(モール温泉)と地元素材のスペシャルディナーを堪能する。商品のキャッチフレーズは「冬こそ十勝川へ」−。

単体での集客「もはや困難」
 「イベント単体で集客を望むのはもはや困難。地域にある何かとうまく結びつけてこそ、足し算、掛け算的な相乗効果が生まれてくる」。道内各地の観光事情に精通するリクルート北海道じゃらん(札幌)のヒロ中田編集長は、一例として管内イベントの連携プランを示し、強調する=写真。

 自治体ごとに特色ある夏祭り、収穫祭、寒さを生かした催しなど活発なイベントが展開される十勝。十勝支庁が発行する07年の「観光イベントガイド」には、一部重複分も含め、1年間で207本もの催しが記載されている。カレンダーに出ていない、小規模な地元向け催事も含めれば、その数はさらに膨らむ。毎週末、複数の自治体で何かの行事がある“イベント大国”ともいえる。

 イベントは地域の元気さを示す一方、「その場の楽しさだけ。後には何も残さない」とされ、マンネリ化にも陥りやすい。だがヒロ中田氏が指摘するように、既存イベントも戦略次第で有力な「外貨獲得」手段となり得る。

魅力ある十勝のイベントを有機的に結び、提案する必要がある(左から勝毎花火大会、ばんえい競馬、十勝川の彩凜詩)
そば祭り開催日重ね来場者周遊
 今秋、西十勝で成功した取り組みは、その試金石といえる。

 新得、鹿追は「しんとく新そば祭り−鹿追ふるさと産業まつり」「鹿追そばまつり−大雪まつり(新得町屈足)」の開催日が重なっている点に着目。前面に出してPRした結果、各会場で過去最高ともされる来場者が周遊した。

 きっかけは5年ほど前から取り組んだ「西十勝シーニックバイウェイ」。鹿追役場観光振興係長の黒井敦志さんは「互いの町が魅力を探していく中で面的な結びつきが強まり、イベント連携も加速していった」とみる。

 今後、鹿追町ではナイタイ高原牧場(上士幌)、ベア・マウンテン(新得)などとの関係強化とともに、町内では福原美術館と神田日勝記念美術館との連動、バイオガスプラントの視察者取り込みもうかがう。

集客数競う発想からの脱却必要
 「開催目的と対象者を絞り込み、集客数を競いがちな20世紀型発想からの脱却が必要。交流人口と地元消費を拡大するには、宿泊を伴う戦略づくりが不可欠だ」。ヒロ中田氏は課題を提起する。

 例えば、秋から冬にかけて管内各地で毎週のように開催される農水産物の収穫祭を「スタンプラリー」で結ぶ。完走者の中から抽選で、農地や漁場のオーナーになることができ、翌年、家族連れで収穫作業に立ち会ってもらう。都市と農村を行き交う新たな人の流れをつくることで、中長期的な滞在、移住にもつなげられる。

 既存イベントを有機的に結びつけ、新たな芽として育てることでの「21世紀型イベント観光」の確立−。地域の物語性を加味し、国内外の人たちを引き付けるプランの提案ができれば、そこで生まれる安定的な交流人口は、豊かな十勝をつくる原動力となる。
(広田実)

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