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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
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[2007.12.13]
スイーツランド
十勝まるごと“お菓子の国”に
 「良質な原材料の産地・十勝こそ菓子王国の名にふさわしい。札幌や砂川ではない。十勝こそスイーツランドだ」

 道菓子工業組合十勝支部(16社)の田村昇支部長(柳月社長)は、お菓子で地域を元気にできると力説する=写真。4年後の道東道全線開通で懸念される、札幌圏への消費流出。いわゆる“ストロー現象”も、田村支部長は十勝発展の好機ととらえる。

道東道開通はお客呼ぶ好機
 4年後をにらんだ菓子業界の戦略は「お菓子を食べに十勝へ行こう」のイメージを広く定着させること。そのために同支部と帯広洋菓子協会(上田敬一会長、63人)が共同で打ち出したキャッチフレーズは「メルヘンスイーツランドin十勝」。管内に5つの「スイーツ街道」を定め、それぞれに物語性を持たせる方針だ。

 今春第1弾で実施したスタンプラリーは、菓子大国をPRする過去にない大規模戦術。管内41店舗の協力で大盛況となり、特典の「菓子の家づくり」には予想を上回る157組320人が参加。手応えをつかんだ。

 年明けには地元素材の消費拡大も視野に、小豆、金時など雑豆を素材に「土産用」を狙った菓子コンテストを開く。ただ、まだ壮大な計画の第一歩。小麦、生乳、豆類…。十勝には菓子に不可欠な原材料が豊富にあり、地場の恵みの活用は戦略の根幹だ。「おいしい素材でおいしい菓子を」。首都圏や国外の観光客もターゲットに、魅力の引き出しに余念がない。

地元で生産される良質な原材料を使ったお菓子は、菓子大国・十勝の誇りだ(左から著書を持つ芝田山親方、小麦の収穫風景、管内菓子店のスイーツ)
元横綱大乃国も「素材は高水準」
 菓子王国・十勝を支える“応援団”も少なくない。その1人が、昨年9月に好物の菓子への思いをつづった「全国スイーツ巡業」を出版した元横綱大乃国、芝田山親方(芽室出身)。スイーツのプロは「十勝の素材は高水準」と推薦する。

 「バターはお菓子の命。十勝の恵みは国内最高峰」と話すのは、兵庫県の「ケーキハウス ツマガリ」の津曲孝社長(57)=県洋菓子協会副会長。同社の利益の9割を占めるクッキーに使うのが、十勝産オリジナル発酵バター。創業21年、1代で年商18億に急成長させた関西のカリスマ店社長も遠く離れた地・十勝の素材に太鼓判を押す。

 「洗練された技はもちろん、今後は地場素材の一層の活用がカギ」と田村支部長。さらに業界の連携重視の姿勢を打ち出す。これに津曲社長も「確かな方策。オンリーワン商品には“信者”が付く」と消費者が強い味方になると熱弁する。

“理想の形”は経済全体底上げ
 田村支部長は“理想の形”を熱っぽく語る。スイーツに敏感な女性をターゲットに、十勝全体のお菓子の魅力を高めながら広めていくことで、男性を巻き込んで札幌圏から道東道を使って来てくれる。そうすれば菓子だけでなく、飲食もし、両手に持てない土産もトランクに入るので、新鮮野菜や乳製品も詰め込んでもらえる。交流人口は増加し、十勝の経済底上げにつながる−と。

 観光で目玉を打ち出し切れない十勝が地域間競争に勝ち残ることは、地域の菓子店全体の生き残りにもつながる。「菓子を呼び水に十勝全体を繁栄させたい」。地元にある強みを探した結果が、自らのかかわる「お菓子」だった。

 管内菓子店が手を携えて、十勝全体をメルヘンにあふれた“お菓子の国”に−。関係者の描く、夢のスイーツランド実現に向け、時間との闘いは続く。
(丸山一樹、植木康則)

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