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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
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[2007.11.06]
藤倉夕張市長に聞く
市民中心に自立したまちづくり
市長はトップセールスマンに

 全国の地方自治体に大きな衝撃を与えた夕張市の財政破綻(はたん)は、十勝の市町村にとっても「対岸の火事」ではない。破綻の理由は何か、分岐点は? 夕張を題材に自治体運営を考える年間キャンペーン第4部を前に、藤倉肇市長に夕張の現状を聞いた。(聞き手・安田義教)

人口1万2千356人半数が60歳以上
 −夕張市の現在の状況は。
 9月末の人口は前年比600人減の1万2356人で、半分以上が60歳以上。全国で最低の行政サービス、最低の職員給与体系、最低の支出。見捨てて出て行った人もいる夕張に、人や企業を誘致しようとしても来るはずがない。何年かは住民税がかからないなど、人が集まる環境を、国がつくってほしい。

 −市の財政再建計画に思うことは。
 鉛筆1本買うにも国の許可が必要と言われたが、その通りだった。民間だと金を浮かして、大枠の予算の中で調整して改善できるが、それができない。予算オーバーするわけではないのに、細かな項目も変更できず、決めた通りの計画をしなければならない。この1年は粛々と進めようと考えているが、場合によっては来年は内容変更を求めたい。現在は道が国と市の間に入っているが、3者が同じテーブルで意見交換できるようにしたい。
1941年、夕張市生まれ。夕張北高校卒業後、横浜ゴムに入社し、仕事の傍ら日本大学経済学部(二部)を卒業。十勝ヨコハマタイヤ社長、北海道ヨコハマタイヤ販売社長を務め、2006年に退職。07年4月、財政再建団体に移行後の夕張市長選に出馬。会社を立て直した実績を訴えるなどして当選した。

炭鉱から観光へ 過剰投資破綻の道
 −財政破綻は国のエネルギー転換で観光振興を進めた結果か。

 炭鉱から観光への転換を選んだのは間違いない。しかし、観光業をするのが、頭を下げたこともない行政職員や元炭鉱マンだったのが大失敗だった。当時の市長が100億、百何十億円とどんどん国の補助金を持ってくるので、その取り巻きも議会も見て見ぬふり。市役所も言われる通りだった。市民も自分の生活が困ると思わなかった。

 −市民の様子は。
 市民は今、個人が夕張に何ができるかを考えて、「ゆうばり再生市民会議」を結成して、身近な環境整備を進めている。夕張が市民を中心にどういう姿になるのか注目してほしい。どこの自治体も、いつ破綻するか分からず、「夕張に学べ」と、自立したまちづくりについて聞かれることが増えた。残念なのは150人の市の幹部が辞めたこと。人数が少なく未経験者が膨大な作業をするので、時間がかかる。

 −市長就任から約半年たった感想は。
 東国原英夫(宮崎県)知事みたいにトップセールスマンのような毎日を送っている。全国から応援の来客や寄付をいただき、国や道の関係者も来る。土・日も休み無しで、講演依頼も多いのが、うれしい悲鳴。再建のためには市長が話題になり目立たないといけないと思う。

第二の古里十勝深いつながり
 −帯広・十勝とのつながりは。
 十勝ヨコハマタイヤ(現・北海道ヨコハマタイヤ販売帯広支店)の社長時代に単身赴任し、3年半暮らした。第二の古里と思う。十勝は民が開発した地域で粘り強く、勤勉。川西ナガイモは夕張から“嫁入り”(種イモを購入)するなどつながりがある。夕張メロンとナガイモなど、一緒に物産展などできたら面白い。

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