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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
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4.  人口減少放置症
「帯広圏は増加」と動かぬ市長
[2007.08.23]
 「帯広の人口が減っても帯広圏の人口は確実に増えている」
 砂川市長の発言に対し、「合併論議をしているわけでもないのに。危機感が感じられない」「人口減は、税収減になる。帯広の“社長”の発言とは思えない」。地元道議、経済人は口をそろえて批判する。

宅地造成が進む帯広市稲田地区。しかし、安価な土地代などを理由に周辺3町へ人口が流出。帯広は6年連続で人口が減少している
周辺3町に流出 6年連続の減
 帯広の人口はピーク時の2000年から6年連続減と、歯止めが掛からない。一方で市と音更、幕別、芽室を合わせた「帯広圏」1市3町の人口は5年前に比べて5000人ほど増加、市から周辺3町へ人口が流出している結果だ。

 ある市の幹部も「帯広からの移住が周辺3町でとどまれば、市内の商店街などは十分恩恵を受けられる」と力説するが、帯広という都市自体の税収に直結する大問題。周辺と比較した住宅施策の遅れや、自衛隊の旅団化に伴う目減り分への対策を打ち出せない市政に、政治、経済関係者ともいらだちを隠さない。

 「帯広さんだけ来ていないけど、始めていいですか」−。迫る団塊世代の大量退職に、各自治体の動きも活発化した3年前。道と大手旅行会社が市内で管内自治体を対象に移住関連の説明会を開催したが、市担当者だけが姿を見せなかった。

 道が進める「北の大地への移住促進事業」。全体の半分以上を占める道内102市町村(うち管内13町村)が登録し、専用ホームページなどでPRに懸命だが、帯広は未加盟。「今は情報が充実している。希望者が自分で調べて問い合わせてくることが多い」(市企画課)と他人任せの様相。「来なくてもリスクはなく、来れば人口増などメリットは大きいのに、言っても動かない」。道議は、市のフットワークの鈍さに首をひねる。

 北海道全体が官民一体で移住促進に取り組む「『住んでみたい北海道』推進会議」(会長・井上久志北大大学院経済学科長)。管内10町を含む道内69市町村と192企業・団体が加盟するが、やはり帯広の姿はない。

 特別会員となっている北のハウス(帯広)の小田衣代社長は「700万人といわれる団塊世代の退職者のうち、1%でも十勝に興味を持ってくれればいい」と力を込める。移住の価値をとらえる、市と民間との“感度の差”は明らかだ。

若い世代に 強い転出願望
 「帯広に住み続けたい」74・2%。今年度の市民意向調査の結果に、市側は「現状に満足している人が多い」と居心地の良さを強調する。

 しかし、若い世代ほど移住希望が強く、「住み続けたい」は20代52.6%、30代56.3%。移りたい理由の約4割が「まちに魅力がない」。「移りたい」希望地として、札幌市とトップを争うのが「帯広圏の3町」だ。

 仕事場との距離や安価な土地代、利便性など、“帯広離れ”の条件はさまざまだが、「音更や芽室、幕別への流出なんて昔から心配されていたこと」。ある政治関係者は、住宅を含む市の人口対策の遅れを指摘する。

 地元経済人は語る。「企業なら売り上げ減を察知すれば、存続のためにあらゆる手を打つ。自衛隊旅団化で1000人もの移動が分かった時、実施の先送り策を含め、市はどんな人口増の対策を打ったのか」

 人口減少はあらゆる面で地域力の低下につながるとの危機感が欠如している。
(キャンペーン取材班)


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