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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
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3.  先送り、丸投げ体質
大学設置、見えぬ市長の本気度
[2007.08.22]
 「『あったらいい』は誰でも言える」「大学をつくる気があるのかないのか」

 2006年9月、帯広商工会議所経営開発委員会。「十勝大学設置促進期成会」(会長・砂川敏文市長)の大学誘致に対し、業を煮やしたように不満が噴き出した。

協議もなく短時間で閉会した今年度の十勝大学設置促進期成会総会。大学設置への市の本気度に疑問符をつける関係者は多い(6月4日、市役所で)
 「帯商はもはや手を引くべきでは」との真意を含んでいた。意向を受けた市は「現在進行形のものがあり、具体的にさわらないでほしい」と含みを残して返答。帯商も尚早な結論は控えた。しかし、“話”はそれきりだった。

公約し3選 今も進展せず
 同期成会が発足(1993年度)して13年。市は公設民営で誘致への口火を切ったものの、具体策に乏しいままだ。

 98年の市長選。「『管内の首長と協議して十勝にふさわしい大学をつくる』と言って砂川市長は初当選した。だが、この10年間一度も町村と話し合いが持たれたことはなかった」。大学誘致を公約に盛り込んで3選し、1年以上たった今も進展がない。

 市職員OBによると、砂川市政1期目からあと一歩という場面は幾度かあった。だが、関係者が話すばかりで市長の“意思”が伝わらない。「市長が熱意を示すかどうかで向こうの受け止め方も違う。誘致したいのか、つくりたくないのか分からない」と職員さえ困惑する。担当者が帯広に来る機会もあったが結局、興味を示さず帰ってしまったこともあった。

 ある政党関係者は市長自身のコミュニケーションの希薄さを指摘する。「庁内でも部長クラスとの間に意思疎通がない。大学設置は不可能を可能にするようなものだからこそ明確な方針が必要なのだが…」とあきらめ口調。野党幹部も「8年間、腹をくくって話し合いをしたことがない。野党にも協力を求める場面はあるだろうに」と首をかしげる。

 市が手をこまねく間に帯商では、独自に大学設置へ動き始めた。7月末に経営開発委が本州の先進的な医療系大学を視察。一方で視察には市職員も同行。帯商側は「姿勢が見えない」と冷めた視線を向けた

やるのは最初だけ 民間から不満噴出
 大学問題の先送り以外にも腹に据えかねる声は、民間から相次ぐ。市が昨年度始めた市民活動に対して行政が支援する「市民提案型協働のまちづくり事業」。あるNPO関係者は「職員は現場に出て来ず、実際は丸投げで市民協働とは程遠い」と憤る。

 建設業者の新事業進出、企業誘致にも「市は最初は一生懸命やるがフォローがない。裏方として汗をかくことが市民に評価されアピールになるはずなのに…。今の帯広市にはその信頼感がない」。野党系市議は、市の行方を憂えた。

 先送り、丸投げ−。いずれも市自身の責任を放棄し、将来へ民間へと責任転嫁しているようにさえ映る。帯商議員の1人は強く訴える。「倒産企業は組織風土から腐る。市は厳しい経済環境でも、結果を残していくという経営感覚を本気で学ばなければ、第二の夕張になる」
(年間キャンペーン取材班)


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