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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
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2.  情報収集力不足
町村に見劣り? 砂川市長の人脈
[2007.08.21]
 「明治乳業の新チーズ工場が芽室に持っていかれたのは、市に情報がなかったのひとこと。土地や水という物理的な難題はあったが、工場建設の情報を得るのが遅すぎる。公約の企業誘致に、市はどれほど熱心に取り組んでいるのか」。ある与党関係者はいらだちを隠さない。

芽室町内に建設されている明治乳業のチーズ工場。自治体にとって固定資産税など“ヒモなし”収入が見込める工場誘致で、帯広市は情報収集に後れを取った
 明乳の大規模なチーズ工場の建設場所が芽室町に決まった時、帯広経済界のショックは相当なものだった。「カルビーポテト進出の時には、芽室とのし烈な綱引きで、一時負けそうな流れを粘り強い交渉で巻き返すことができた。雇用の確保、人口増、税収増に必死だった。明乳の時には、職員にそんな気概がみじんも見られなかった」。当時を知る市職員OBは振り返る。

10年先を見た吉村元市長

 都市間競争が激しさを増す中で、地域の経済力を高め、人口増加策にも結び付く企業誘致に力を入れる自治体は多い。固定資産税や法人税、市民税収入などが見込め、「1億円の自主財源があれば、起債などを合わせて10億円の仕事ができる」(ある市職員OB)からだ。ただ、企業の戦略は日々の情勢で、刻々と変わる。それをいかにつかみ、引き寄せるか。各自治体の情報収集力、情報に基づいた戦略が、勝敗を分ける重要なカギとなる。

 だが帯広のその力に、多くの有力者が疑問符を付ける。

 「田本(憲吾元市長)時代、市長ブレーンだった企画担当は、ものすごい量の国の情報を持っていた。企画同士の会議をしても『さすが市は違う』と思ったものだ」。ある管内首長は振り返る。そしてこう付け加えた。「今は町村の方が市幹部より情報を持っている」

 砂川市長自身の情報収集の姿勢に疑問を投げ掛ける人も少なくない。例えば東京帯広会。「企業の人たちは『ぜひ前日から来て』と呼び掛けるが、一度も来たことはない。公務があると、あいさつだけして懇談会には残らない。これが彼の姿勢だ」。ある市議は言い切る。別の野党議員も「市長はトップセールスマン。吉村博市長(故人)は『偉い役人には誰が会ってもいい。おれは係長クラスと酒を飲む。第一線で情報を持っているから』といっていた。若手は将来幹部になる。10年後を見据えた人脈づくりを、砂川さんはどう考えているのか。見えてこない」

国とのパイプ 施策に生かせず
 国とのパイプを生かせていないことにも、批判が集まる。砂川市長は、中川昭一衆院議員の後ろ盾で立候補している。しかも中川氏は今、政調会長。与党の政策責任者だ。「中川−砂川ラインといわれるが、選挙の集票ラインであって、市政・政策実現のためではない。砂川さんに強い思いがあれば、極端な話、何でもできるはずなのに」。自民党関係者は嘆く。

 市のあるOBは、現状を憂えてこう語る。「1人では限界がある。1500人の職員をいかに気力を持って働かせるかが、市長の最高の命題。しっかり指示を出し、全員が一斉に動けば、あっという間に情報が集まり、物事が形になる。だまっていても市長は光ってくるのに、何もしない」
(キャンペーン取材班)


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