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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
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1.  リーダーシップ欠乏症
合併協議でも「汗かかぬ市長」
[2007.08.20]
 「帯広からはしばらく何の連絡もない。中核都市の自覚と、周りを引っ張る意識を持ってほしいが…」

 管内のある町長は、帯広市と管内他町村の冷めた関係をあきらめ顔で語った。

 18町村で組織する十勝町村会と市が、「十勝1市」のグランドデザインを基に、自立の道や合併、広域連携などさまざまな可能性を話し合う「共通のテーブル」設置で合意したのは昨年8月。その後、十勝の中核となるべき市からの提案や呼び掛けは一切なく、進展はない。

市役所に出向いてきた町村長たちと笑顔で懇談し、自立や合併を議論するテーブルの設置で合意した砂川市長。だが、その後、市から町村へ、協議に向けた提案などは一切ない(2006年8月、帯広市役所で)
十勝1市構想提案一切せず
 十勝1市構想の中で、市は当初から「町村と対等」として“19分の1”の立場を主張。主導権を握ることを避けている。市幹部は「テーブル設置は町村会からの呼び掛け。こちらから何かを言う立場にはない」と、あくまで“受け身”の姿勢を強調する。

 こうした十勝の状況に、ある政治関係者は「帯広圏が先導して可能性を議論すべきだが、帯広はそこに自ら踏み込めない」と消極姿勢を批判する。

 「帯広がどの方向を向いているのかが分からず、みな疑心暗鬼になっている」。ほかの政治関係者も疑問を呈する。「(砂川さんは)やらないならやらないと言えばよいが、『大事な問題』などとぼやかすだけだ」

政治家でなく「事務役人」
 3年前の帯広市と中札内村との合併協議は、最終的に村民の住民投票で村の「自立」の意思が示されたが、議論の間、砂川敏文市長はほとんど村に足を運ばなかった。

 「砂川さんは政治家でなく、事務役人。首長間で腹を割って話せる人がいない」。管内のある町長は“汗をかかない”砂川市政の限界を口にする。「だからこそ政治判断ができるブレーンが必要なのに3期目になってもまだできない。永久に無理だ」。

 帯広市単独開催で最終的に生き残ったばんえい競馬の存廃問題では、当時「2市開催」の可能性を求めて隠密に来帯した岩見沢市長に対し、砂川市長は動きを見せず、政治力のなさを露呈。屋内スピードスケート場建設でも、管内町村からは「胸襟を開かない。本音で語ってくれれば、利用などの面で協力体制も取れる。トップ間で協議すべき大きな問題なのに…」との声が漏れる。

財政、人口減…抱える“病”多く
 合併の可能性を多角的に検討することもなく、「なんとなく」自立の道を歩む帯広市。しかし、その道には、厳しさを増す財政問題、人口減少、景気悪化などさまざまな難関が待ち受ける。

 帯広はいわば『病気』。人口は減り、企業は倒産、市税収入は減り、滞納が増加。観光も振るわない」。市議会からは切実な声が聞こえる。

 「この苦境を乗り切る処方せんを出すのが首長の仕事。なのに砂川市長はリーダーシップを発揮せず『日本全体がそうだから仕方ない』と周りのせいにする。それなら首長などいらない」。帯広がどう生き残り、どんな十勝を目指すのか。リーダーによる明確な指針が求められている。
(キャンペーン取材班)


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