十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
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 [2006.04.24]
小麦、ビートから有効成分 − 畑作物由来バイオマス
北農研など 工業生産視野に検証

 独立行政法人「農業・食品産業技術総合研究機構北海道農業研究センター芽室研究拠点」(桑原達雄研究管理監)を核に産学官連携で進める、畑作物由来バイオマス(生物資源)の有効活用プロジェクトは今年度、工業生産を視野に入れた実証データ取得段階に移る。来年度以降、同データを基に規格外小麦からのエタノール生産、副産物の調味料化など、商品化に向けた具体化作業が本格化するとみられる。

 同プロジェクトは2005、06年度の2カ年事業。事業費は約1億6000万円。十勝圏振興機構食品加工技術センター、コスモ食品(芽室)、日本甜菜製糖、帯広畜産大学など管内外9団体から20人を超える研究者、コーディネーターが参加、農業生産過程で出る規格外小麦、ビート、「ポテトパルプ」(でんぷんかす)の有効活用を研究している。

 このほど帯広市内で設計会議を開き初年度分の成果、今年度の目標を確認した。

 規格外小麦を原料とするバイオエタノール生産は3つの方法を検討。エタノール抽出と合わせ、酵母たんぱく質を豊富に含む残さからは調味料づくりのめどが付いた。

 ビート糖製造工程で発生する「ビートファイバー」(搾りかす)は食品の物性改善素材に利用できるほか、化粧品原料となる「セラミド」、コレステロール低下などの効果があるとされる「植物性ステロール」などの高付加価値成分も抽出できるとした。

 「ポテトパルプ」からは、発酵、熱水で抽出した物質を「ほぐれ材」として試験販売したい考え。ほぐれ材はコンビニの弁当のご飯やめん類がくっつくのを防ぎ、ほぐれやすくする。また豆腐かすと混合して家畜用飼料にできることも分かった。今後は冬場の調整作業、保存性を検討するとしている。

 プロジェクトリーダーの中司啓二・北農研センター寒地バイオマス研究チーム長は「最終年度は生産物の『出口』を意識して検討を詰める。十勝発の新産業として活性化や雇用確保に役立ちたい」と話している。
(広田実)
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