十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
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 [2006.04.23]
十勝でも環境づくり急務
国のバイオマス総合戦略改訂
独自の青写真必要 「活性化へ特区申請も視野に」


 政府はこのほど、生物資源(バイオマス)をエネルギーなどに活用するための国家戦略「バイオマス・ニッポン総合戦略」の改訂版を閣議決定した。エタノール3%混合ガソリン(E3燃料)を筆頭に、国産バイオマス輸送用燃料導入に向けた環境整備、資金援助などの方向性を明示。地域主導の政策提言を強く求めており、十勝でも早急に独自の地域循環モデルをつくり、研究から実用段階への前進が急がれる。(広田実)

 2002年末に作成した戦略を見直し、30年ごろを見据えて実現への道筋を示した。各地で芽が出始めた取り組みを加速させる狙いがある。

 バイオマス普及への条件整備として、設備導入支援、税制上の優遇措置など経済的な支援手法を検討、安価な原料作物調達などを盛り込んだ。また、農水省では、古米やミニマムアクセス(最低輸入機会)米の利用も検討。森林の残材を電力などに活用するため、効率的な収集や運送体制の整備、実証試験や電力需要創出も盛り込む。バイオマス製品普及へは、目印となる「バイオマスマーク」導入も計画する。

 「バイオ燃料」に関しては、国が積極的な導入を促そうと、利用設備導入に必要な補助を行う。また、主に農産物由来のエタノール利用の実例を創出し、原料の安価な調達手法や関係者の協力体制を整備、効率的な生産技術開発を進めていく。

 十勝では04年度から、関係省庁の補助を受けて、規格外小麦とビートからのバイオエタノール製造、利用の可能性を探ってきた。1日にオープンした十勝産業振興センターにはエタノール発酵槽が設置され、持続的な農業と新産業創出への期待を集める。農水省は中川昭一大臣の就任後、作物ごとの生産振興一辺倒から、需給バランスの取れた振興策へと大きくかじを切りつつある。

 こうした動きに、十勝圏振興機構の有塚利宣理事長は「08年までにはエタノール工場を計画したい。生産枠超過分を吸収することで制限農業から脱却、食料自給率向上に貢献できる」と意欲的。NPO法人コミュニティーシンクタンクあうるずの梅津一孝代表は「バイオマスは地域活性化の切り札。特区申請を視野に、利用計画の青写真づくりを進めなくては」と話している。

 バイオエタノールが普及すれば化石燃料の使用量を減らし、地球温暖化対策の一助となる。欧州の先進各国では、コストの高さを政治が解消する仕組みを確立している。

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