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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
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 [2006.03.01]
求められる建築の環境対策

札幌で日独シンポ 「市民の力、普及のカギ」
ドイツと日本の研究者、行政担当者らが環境と建築について話し合ったシンポジウム
まちづくりでも意見交換
 【札幌】日独シンポジウム「環境と人にやさしい持続可能な建築と住まい」がこのほど、札幌市で開かれ、日本とドイツの関係者約200人が環境に配慮した建築やまちづくりについて意見を交わした。

 ドイツ連邦環境省、NPO法人北海道新エネルギー普及促進協会などによる実行委主催。基調講演では、ドイツの環境共生住宅産業ネットワークのヴィルヘルム・メームケン氏が同国のエコ建築の歴史などを紹介した。

 同氏は「90年代後半から住宅だけでなく、都市計画全体として、水、土壌、気候、動植物、景観、インフラなどを総合的にとらえた設計が行われている」と述べ、ドイツの発案で今年からEU加盟国に義務付けられた「建物のエネルギーパスポート制度」(各住宅のエネルギー消費を示す仕組み)などを説明した。

 環境都市で知られるフライブルク市都市計画局長のヴルフ・ダーゼキング氏は、トラム(市電)を中心に、公共交通機関や自転車で移動できるコンパクトなまちづくりの様子を写真で紹介。

 まとめとして「二酸化炭素や土地利用の削減、水の賢明な利用、輸送の問題など、これからの都市計画は新しい道を探らねば」と呼び掛けた。

 ベルリン工科大経済・経営学部の「戦後建設住宅の社会的・生態学的な再開発プロジェクト」リーダーのガブリエレ・ヴェンドルフ氏は、老朽化した集合住宅の再開発に住民の意見を取り入れた手法を紹介。「壊すのではなく、改修には社会的、環境的にも大きな可能性を秘めている。改修に参加してもらうことで地域住民の一体化も進む」と述べた。

 日本側参加者は省エネ住宅やヒートポンプ暖房などを紹介した。

 会場からの質疑では、環境対策のコストが高いことが問われ、メームケン氏は「ドイツでは政府が助成しており、システムの価格は今後安くなっていく。化石燃料を使うより、正しい方向に向かっていると思う」、ヴェンドルフ氏は「技術推進と需要拡大で将来的な普及が進む。いかに需要を呼べるか、市民の力が普及のカギになる」と話した。
 (小林祐己)

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