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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
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ペットボトル
増え続ける製造量
[2006.11.24]
帯広市内のリサイクル業者ウィンクリンの倉庫に山積みされたペットボトル。同社は管内8市町村から年間、約700トンを資源ゴミとして回収する(山下僚撮影)
 「再資源化に必要なエネルギーの節約も含めて考えると、さらなる循環社会を実現するためには、使用量を減らす視点が不可欠」とPETボトルリサイクル推進協議会(東京)の新美宏二事務局長は強調する。

 缶やガラス容器を押しのけて食料品売り場にはんらんする手軽なペットボトル。回収率は2005年度で63.7%(同協議会の06年度版年次報告書)で、右肩上がりに伸びている。再生後の用途も幅広く、リサイクルの代名詞的な存在に挙げられることも多いが、原料となる石油から作られる樹脂生産量が、05年度に53万3000トンと7年間でほぼ倍増した。地球環境への負荷は確実に増大し続けているのだ。

 プラスチック、瓶、紙などの容器包装にかかわる8つの団体がこのほど、業種の枠を超えて「3R(発生抑制、再使用、再資源化)推進団体連絡会」を結成、10年を目標にペットボトル1本当たり3%の軽量化やリターナブル(再使用)システムの研究に取り組む姿勢を明確にしている。

 ペットボトルを取り巻く状況は、新たな局面を迎えつつある。


使用抑制の対策も必要
「3R」の優先順位、正しく理解を


 「使用済みペットボトルを回収箱に入れれば、資源循環が完了するかのような誤解に警鐘を鳴らしたい。『3R』は優先順位を正しく理解し、実践しなければ」

最後の砦に
 「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク(壷阪道也代表)は、減量(リデュース)を第一に、可能な限り再使用を試み、リサイクルは最後の砦(とりで)に位置付けるべきだと訴えている。

 同ネットは使い捨て社会に歯止めを掛けようと、リサイクル実態を調査。2004年には「ミニペットボトルの売れない街・静岡をつくりたい」とのリポートを公表した。例会では会員が急須を回し、湯飲みに緑茶を注ぎ、進んでエコを実践する。

 壷阪代表は廃ペットボトル処理に関して、「有償取引が加速し、『容器包装リサイクル法』でいう分業体制が崩れつつある」と指摘する。

資源は海外へ
 ペットボトルのリサイクルは、自治体が回収・こん包し、容器リサイクル協会が無償で引き受けた後に、事業者が入札する仕組み。しかし、中国などへの海外輸出が増えた影響などで、資源確保が難しい国内業者が、自治体へ直接営業する動きが強まってきた。

 十勝環境複合事務組合の山下昭彦所長補佐は「容リ法に従い正規ルートへ流せば収入はゼロ。反対に、回収量は増える一方なので、選別・収集にかかる負担がかさむ」と悩む。最近は廃ペットボトルをフレーク化し、業者に有償で売り渡し、収入を確保する自治体が増えてきた。こうした現状を受け、来年度から正規ルートでも有償入札へ移行することになった。

 一方、発生抑制の有効策として壷阪代表は「拡大生産者責任」(生産者が生産から廃棄までの責任を負う)に基づいて環境復元やリサイクル費用を上乗せした価格体系の導入を提言する。「価格が上がると需要が減るので、生産側は価格上乗せ分を抑え、リサイクルしやすい商品を考える。その結果、廃棄物の減量が期待できる」仕組みだ。

 PETボトルリサイクル推進協議会の新美事務局長は「『リユース(繰り返し使用)』の基盤づくりや消費者意識向上を促していきたい」と意気込む。

 リサイクルの“優等生”の地位を保ちながら、使用量そのものを減らしていけるのか−。企業、自治体を中心とした循環システムとそれを支える消費者意識がそのカギを握っている。
(広田実)
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