WEB TOKACHI
十勝毎日新聞社
WEB TOKACHI
Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
>>> 目次ページに戻る
省エネ共和国(長崎県長崎市)


児童主役に高まる環境意識

5省体制活動徹底
 [2006.03.17]
大臣が成果発表
 「目標は2%でしたが、昨年に比べて電気の使用量を11%も削減できました。金額にすると20万円の節約で、マンガ本が400冊買えます」。長崎県長崎市立稲佐小学校(有川政秀校長、児童330人)の「省エネ共和国」。松本彩大臣を筆頭とする「節電省」の児童たちが、1年の省エネ活動の成果を胸を張って発表した。

「電気を消してもいいですかー」。まだ幼い2年生も腕章を着けて省エネパトロールにやる気満々
 省エネ共和国は、省エネルギー・環境・リサイクルなどの活動を自らのプランで実践していく人々の集合体で、省エネルギーセンター(東京)が学校や団体、自治体に推奨する。全国の建国数は1月現在で165カ国、総人口15万人。

 2003年9月に建国した同校は「節電省」「節水省」「リサイクル省」「地域環境省」「食料省」を設けるユニークな運営体制をとる。大統領は有川校長。“公約”を掲げた選挙で当選した6年生がそれぞれ大臣を務めている。

パトロール隊組織
 校内には消費電力量と金額が分かる「省エネナビ」を設置。学期ごとに全校児童の中から「省エネパトロール隊」を立候補制で組織する。隊員は昼休みに腕章とチェック表を手に、電気の無駄遣いや水の出しっ放しを点検し、古紙回収にも駆け回る。

 当然、児童たちの目は校長室にも光り、「電気を消しますよ」と点検にやってくるのは日常だ。有川校長は「省エネ活動に主体的に取り組み、環境に一役買っているという自負が生まれた」と児童たちを見守りながら、「大人も子供たちの頑張りを見て、自分の暮らしを振り返るようになった」とも話す。

 建国前の02年度、同校の電気使用量は19万キロワットを超えていたが、建国1年目の03年度で一気に32%減の12万9870キロワット、04年度はさらに18%減らし11万9400キロワットに。金額にすると、02年度の307万円が、04年度は265万円。節約額は小さくない。

全公約をクリア
 今年度は(1)電気2%節約(2)水3%節約(3)紙の再利用・古紙の徹底回収(4)町の美化と自然を守る(5)給食の食べ残しゼロを月5回−の公約すべてをクリア。新たにウサギの餌で余ったキャベツのたい肥化も始めた。地域や保護者に向けた催しなどで省エネ活動を劇にするなど成果を情報発信し、地域にも影響を与えている。

 地球環境省の谷川瞳大臣は「1人ひとりが変わらないと地域の環境は変わらないことが分かった。ポイ捨てする友達にも注意できるようになった」と振り返る。リサイクル省の宮上理香子大臣は「中学校に行っても古紙回収に取り組みたい」と意気込む。

 その一方、共和国の課題は「継続」だ。学校は教員の異動や児童の卒業・進級が避けられないだけに、教員の間からは「意欲を持続させるには地域との連携が重要」との指摘も。

 環境教育担当の金田希美子教諭は「省エネは現代的な課題。エネルギーを見える形にして、子供たちの意識を向けさせるようにするのが先生の役目」と訴えている。
(本内のぞみ)


>>> 目次ページに戻る
(C) TOKACHI MAINICHI NEWSPAPER >>> WEBTOKACHI トップ