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エコポイント(三重県名張市)


報奨制、効果は一石三鳥

町内会が環境貢献
 [2006.03.16]
自治会収入に
 「電気使用量の削減が目に見えるので励みになり、自然と省エネが身に付く。自治会の収入にもなり、一石三鳥です」

お知らせ票を見て電気使用量を確認する三重県名張市緑が丘自治会の朝倉会長(左)ら
 三重県名張市の中野一宏さん(64)は、緑が丘自治会(朝倉啓介自治会長)ぐるみで取り組む「みえのエコポイント」制度の効果を語る。

 同制度は環境先進県を掲げる三重県が、県民と協働で地球温暖化を防止するため2001年度から開始した。前年同月と比較して削減できた電気・ガス・水道使用量に応じてポイントを付与し、支援金(1ポイント=2円)を支給する仕組みだ。

 10世帯以上で取り組み、電力会社などから届く期間内の使用量のお知らせを事務局に提出。1キロワット(立方メートル)削減するごとに、電気は1ポイント、ガスが5ポイント、水道で3ポイントが加算される。

生活方式を転換
 「インセンティブ(報奨)を付けることで普及啓発効果を見込んだ」と県環境森林部環境活動室の上野公民主査(43)。02年度から始めた緑が丘自治会も、活動の端緒は支援金だった。エコポイントには(1)地球環境への貢献(2)節約で家計に優しい(3)支援金の獲得−と、まさに“一石三鳥”の目標が秘められている。「ゲーム感覚でライフスタイルを転換してほしい」と上野主査。

 緑が丘自治会では、全760世帯の3分の1が参加している。電気をこまめに消したり、雨水をためて庭に散水するなど、個人の自発的で地道な活動が基本。自治会は回覧で節約術などの情報を提供して活動意欲を促すだけだ。

高まる連帯意識
 朝倉会長(68)は「日常会話でも省エネの話が出てくる。以前は考えられなかった」と述懐する。03年度には支援金11万円を獲得し、ごみステーション用のカラスネットを購入。見える形で自治会に還元し、活動のカギである「地域の連帯意識」を高めている。

 県は仕組みを改良しながら、これまでに7回実施。05年度夏(6−9月)には約1万6000世帯が参加して二酸化炭素換算で50トンを削減、支援金は92万円に達した。

 だが、県内の67万世帯(人口186万人)中、参加はわずか数パーセント。活動を広げるため、05年度冬(11−2月)に初めて個人参加を認め、削減量に応じてスーパーなどで特典を受けられるようにした。

 将来的に県は、企業が支援金を交付する社会システム構築を模索している。具体的には、家庭の削減分を負担企業の温室効果ガス排出権取引として認めるよう、環境省に働き掛ける考えだ。実現すれば、企業、市民活動の双方に波及効果が期待できる。

 「特別なことはしてないよ」と笑顔で語る森一男副会長(67)の姿に、“後付け”と謙そんする省エネ意識の浸透を感じた。無理なく楽しみながらできる仕組みが、環境に優しい生活を支えている。
(池谷智仁)

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