年間キャンペーン最終部



未来を担うスポーツ少年たちへ

人として成長、友達の輪広げて


金澤 耿さん(57) 音更町
<プロフィル>1947年、帯広市出身。帯広三条高校卒。十勝管内をまとめる帯広地区サッカー協会の会長を98年4月から務める。TRAD、エフエムおびひろ(FM−JAGA)各社長。


 サッカーは「子供を大人にして、大人を紳士にさせるスポーツ」と言われます。いま君たちは「1+1=2」のように必ず答えのある勉強をしていますが、サッカーは答えを自分たちでつくり出すクリエーティブ(創造的)な競技です。君たちが大人になって社会に出ると、決まった答えが用意されていないことが多く、自分たちで方向性を見つけださなければなりません。その時のためにサッカーだけでなく、答えのある学校の勉強をしっかりやり、好き嫌いのないバランスの取れた食事、体力づくりをして、基礎である心技体を鍛えてください。それがJリーガーへの近道です。


「近代サッカーの戦術と会社経営には共通点が多い」と金澤さん。子供たちには「敗戦から学ぶことの大切さ」を唱える

 社会に出てからの話をしましょう。少し難しいかもしれませんが、私の経営哲学は近代サッカーの戦術とよく似ています。分かりやすくプレーに例えると、ディフェンスを上げることで広いピッチ上にスモールスペースをつくります。狭められたこの空間では判断力の早さとパスの正確さが必要となります。同時に選手の役割もフォワードやディフェンスなど何でもできるようにオールマイティーでなければなりません。

 また、ゴールを目指すにはボールにかかわっていない「オフザボール」の選手の動きが重要になります。「ボールから離れているから僕は関係ない」ではなく、相手ディフェンスを引きつけたり、空いているスペースに走り込んだりするクリエーティブなプレーが11人の選手すべてに求められます。サッカーからは多くのことを学ぶことができ、ピッチを市場、選手を社員に置き換えれば、サッカーと会社経営の共通点が分かってもらえると思います。


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 サッカーに限らず今は、スポーツで勝敗を決することはあまり良いことではないという風潮があります。でも、人生の中では勝つことも負けることもあるので、スポーツを通して世の中の厳しさが分かるのではないでしょうか。人間は長い時間をかけ動物の本能である闘争心を転化させ、スポーツを創造しました。そして公平、公正に楽しむためにルールをつくりました。

 ただし、勝敗至上主義にこだわるのは良くないことです。ましてや敗戦がイコール弱者というわけではありません。むしろ勝利を収めるより、敗戦から学ぶことが多いはずです。人生において全戦全勝はあり得ません。君たちが楽しく厳しいスポーツを通じて人として成長し、友情の輪を広げていくことを心より望んでいます。(おわり)


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 (この企画は梅庭寛子、栗田直樹、杉原尚勝、國井正行、道下恵次、高田敦史が担当しました)

[2005.12.13]

 <十勝のサッカー>帯広地区サッカー協会が中心となり選手、組織の強化を進めることで、管内の昨年度登録選手4565人、登録審判員840人と道内では札幌に次ぐ規模となる。U−6(6歳以下)からO−60(60歳以上)まで生涯スポーツ文化の確立を目指し、同協会が次世代への橋渡しを担う。選手層も厚く、2003年9月の第27回全日本少年サッカー大会では、とかち帯広選抜FCが3位入賞に輝いた。

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