年間キャンペーン最終部



ゆっくりと成長するわが子へ

自信失わず人生歩んで


奥村征敏さん(36)、仲恵さん(33)
 
帯広市
<プロフィル>コミュニケーションが苦手な子供たちを持つ保護者のサークル「infant(インファント)」を2004年1月に発足。定期的に勉強会を開くなど、保護者同士が気軽に話し合える場の提供を目指している。2人の間に小学生の長男と1女。


 これは何年後かのおにいちゃんへの手紙です。周りの人とのかかわりに疑問や苦痛を感じたときに読んでほしいと思っています。


「家族が協力することを学ばせてもらった」と奥村さん夫妻。わが子の成長に合わせた学習用品は手作りのものが多い(折原徹也撮影)

 今、あなたはどんなことに悩んでいるでしょうか。友達とうまくかかわれていますか? 自分の気持ちを表現できなくて困っていませんか?

 頑張っているのに、なぜか人とうまくかかわれないと感じているのなら、それは決してあなたの努力が足りないからではありません。あなたが、ほかの人の100倍いろんなことを考え努力しながら生活していることは、私たちがよく知っています。けれどもそれは、周りからは見えにくいことなのです。

 あなたの成長が、ほかの子供と少し違うと言われたのは、3歳のときでした。その時、人とコミュニケーションをとることに、あなたなりの課題があることが分かったのです。それから何年間も、たくさんの先生方や友達に支えられて、ゆっくりと成長してきました。そして、お父さんお母さんは、あなたを真ん中において家族が協力することを学ばせてもらいました。

 覚えていないかもしれませんが、あなたはとてもたくさんのことを頑張ってきました。人と話すときに目線を合わせること、楽しい・悲しいなどの感情を自覚すること、そしてそれを表現すること、友達と遊ぶことなど、今ではできるようになったことが、本当は何年もかけて努力し、できるようになった素晴らしいことなのです。

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 私たちは誇りに思っています。ですから、いま周りを見て自分に違和感を感じても、決して自分に自信を失うことなく生きてほしいと思います。これから大人になっていくにあたって、普通であってほしいとか頭の良い学校に入ってほしいとは思っていません。むしろ自分には何が必要か、どういうことを目指すのかを判断できるほうが重要だと思います。

 そして、お父さんは、自分の足で立ちしっかりと人生を歩んでいける男になること、お母さんは、あなたと一緒に歩いてくれるパートナーが見つかることを願っています。妹はまだ小さいですが、今のままのおにいちゃんが大好きです。

 あなたが巣立っていくまで、そして巣立ってからも、お父さんとお母さんはあなたの味方です。

[2005.12.09]

 <特別支援教育>国が2007年度からスタートさせる。これまでの盲・聾(ろう)・養護学校、特殊教育に加えて、普通学級におけるLD(学習障害)やADHD(注意・欠陥多動性障害)などの学習困難な子供たちに対して適切な教育や指導ができるよう、必要なサポートを行う。十勝特別支援教育振興協議会(高橋晃会長)などが今夏、管内100の小・中学校を対象に支援態勢に関する調査を実施。その多くが「検討中」「手つかず」と答えるなど、特別支援教育への早期対応が求められている。

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