年間キャンペーン最終部



団塊ジュニアから子供たちへ

支え合える、思いやりの時代に


高橋 秀和さん(32) 音更町
<プロフィル>1973年、池田町生まれ。法政大学卒。現在は帯広市内の病院で管理部次長として勤務。音更町で妻の幸子さん、長女優音ちゃん(4)、長男一颯ちゃん(10カ月)の4人暮らし。

 優音(ゆうね)、一颯(かずさ)へ

 この手紙を読むころには、君たちはどんな夢や悩みを持ち、どんな社会の中で生きているのだろう。外で遊ぶことが大好きな君たちとよく公園に行くけれど、同じ年ごろのお友達をあまり見かけないのはどうしてかな。きっと世の中で嫌な事件が多いからだろうね。

 お父さんが子供のころは外に出ると同年代の友達がたくさんいたよ。みんなで暗くなるまで遊び、悪さをすると近所のおじさんに怒られたりと、とにかくにぎやかだったなぁ。

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「厳しい時代かもしれないが、どんなことをしても家族は守りたい」。力強く語る高橋さんの背中を見て、子供たちは新しい時代を描いていく(折原徹也撮影)

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 君たちといつも遊んでくれる「じじ」は「団塊(だんかい)の世代」と呼ばれ、お父さんが子供のころ、とても仕事熱心だったんだよ。頑張って働くほど生活は豊かになる時代だったから、じじのおかげでお父さんは特に不自由もなく、やりたいことをしながら、今まで生きてこられたんだ。

 お父さんは学生時代を東京で過ごし、大学を卒業してからは故郷十勝での就職を希望していたんだけど、なかなか見つからなくて最初は札幌で働いていた。そのころお母さんと出会って結婚したんだ。その後帯広で良い職場に恵まれて、念願の十勝で暮らすようになり、君たちが生まれ、楽しい毎日を送っているよ。

 でも正直、これからどうなるのか不安もあるんだ。今はお年寄りが増えて子供たちが減っているから、君たちが大人になるころには、大きな負担を背負っていかなければならないかもしれない。お父さんがおじいさんになるころは、年金はもらえないかもしれないよ。

 「それなら子供がもっと増えればいい」って? そうだよね、お父さんも家族が多いほど楽しいだろうな、って思うよ。お父さんがじじにしてもらったように、君たちが習いたいこと、かなえたい夢、進みたい道があれば、全面的に応援したい。親はみんなそう思うんじゃないかな。でも負担が増えて、収入が減る今の時代、子供をたくさん産んで育てるとなると、親としてどこまでしてあげられるか悩むところかもしれないね。

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 これからどういう時代になっても、君たちがどういう道を選んでも、「自分と人への思いやり」は大切にしてほしいな。自分を大切にできればほかの人も大切にできるし、厳しい時代でも家族や地域が助け合って乗り越えていける。そして、君たちが生まれ育った故郷十勝を大切にして、「みんなが支え合える、思いやりの時代」を切り開いてほしいと思っているよ。

[2005.12.05]

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 少年・企業犯罪の横行など、過渡期のゆがみの中にある現代の社会システム。立て直しの鍵を握るのは、人間形成の原点である「生きる力」の再生・向上だ。今年の年間キャンペーン最終章となる第5部では、手紙の形で次世代へのメッセージを寄せてもらい、「人間力」をはぐくむためのヒントを探る。

 <団塊ジュニア世代>戦後の「第1次ベビーブーム世代」の子供たちで、主に1970年代前半生まれの世代。この間の出生数は全国で年間200万人以上に上る。ジュニア世代は現在、出産年齢時期に当たるが、厚生労働省の人口動態統計によると、2004年度出生数は同111万人、「合計特殊出生率」は1.29。十勝管内20市町村の03年度合計特殊出生率平均は1.51で、5年前より0.12ポイント減。高度成長期の中、豊かな生活を享受してきたが、今後は少子高齢化の影響で労働力不足による税収減、社会保障費負担増、各種の増税などを目前にした世代でもある。

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